この記事では、「償還」と「返済」の違いを分かりやすく説明していきます。
「償還」とは?
もともとは、債務を返す意味を持ち、金銭債務を弁済する、返却する、といったがある「償還」。
ただし、一般的には、金融業界で用いられる際、投資信託や債券が満期に鳴った際、それを投資家に返還するとき、「償還する」といったように「償還」が用いられます。
漢字から見れば「償還」は、「つぐなう」と「かえす」といった意味から作られています。
そのため、債務を返すといった意味があり、また、投資信託などにおいても、企業は投資してもらうことで資金を調達することができた、といった意味から、投資してもらったお金を返す際にも「償還」が用いられているのです。
「償還」の使い方
「償還」には、金融業界で用いられる専門用語として、「期中償還」、「抽選償還」などがあります。
これは、期間の途中で返す、抽選で償還分を決める、といった意味があります。
そのほか、「償還日」や「償還払い」、「償還金」、「償還資金」、「償還請求」、「償還基金」、「償還義務」など、様々な言葉があります。
「返済」とは?
借りたものを相手に返す意味を持つ「返済」。
返すものは、お金でもものでも、すべて、「返済」を用いることができます。
ただし、一般的には、「返済」は、借りたお金を返す意味として用いられることが多く、カードローンやキャッシング、住宅ローンやマイカーローンなどで借りたお金を返す意味として、「返済」が用いられています。
「返済」の使い方
「返済」と付く言葉は多く「返済日」や「返済期限」、「返済期間」、「返済回数」、「返済条件」、「返済能力」、「返済方式」、「繰り上げ返済」、「返済システム」、「返済管理」、「返済計画」などがあります。
「償還」と「返済」の違い
「償還」と「返済」には、お金を返すといった共通の意味があるものの、その中身が少し異なります。
「償還」の場合、満期になった投資信託などを投資家に返すことを意味する一方、「返済」の場合は、完全な借金を返す意味として用いられています。
そのため、同じお金を返す行為であっても、どんなお金なのか、といった違いがあり、その点の違いが大きな違いとなります。
「償還」の例文
・『やっと、負債をすべて償還することができました。』
・『償還期限が近づき、今から楽しみです。』
・『償還完了予定日が近づいています。』
・『損失が出た場合、償還する契約になっています。』
「返済」の例文
・『30年の返済期間で住宅ローンを組むことになりました。』
・『頑張って300万円の繰り上げ返済を行いました。』
・『しっかりと返済計画をたて、借りたお金は返済していきたいと思います。』
・『返済日までにお金を用意することができない。』
まとめ
「償還」と「返済」の違いは以上となります。
一般的に耳にすることが多い「返済」に比べ、さほど、耳にすることがない「償還」ですが、的確な使い分けが必要な言葉となるため、注意が必要です。