この記事では、「背に腹はかえられぬ」の意味を分かりやすく説明していきます。
「背に腹はかえられぬ」とは?意味
「背に腹はかえられぬ」とは、大事な事のためには、他の事を犠牲にするのはやむを得ないと言う意味の慣用句です。
この慣用句は、日常的によく使われる言葉であり、その意味は比較的理解されていると思いますので、由来や誤用や誤解をしないためのポイント等を中心に説明したいと思います。
「背に腹はかえられぬ」の概要
「背に腹はかえられぬ」と言う慣用句は、背中を守るからと言っても、重要な内臓が入っているお腹を犠牲にする事は出来ないと言うのが文字通りの意味です。
すなわち、この言葉では背中を犠牲にするのは仕方ないと言う事を意味しています。
このことわざは、刀での戦いが行われていた時代の話で、刀で切り付けられた時には、お腹よりも背中側の方が、背骨に守られ命を落とすリスクが少ない事から、誕生したものです。
以上のことわざから「背に腹はかえられぬ」は、大事な事のためには、他の事を犠牲にするのはやむを得ないと言う意味になり、今日も慣用句として広く使われているのです。
また、「背」を他人に、「腹」を自分に見立てて、切羽詰った状態に陥った時には、他人の事まで考える余裕などなく、自分自身の事を考えるだけで精いっぱいだと言ったニュアンスでも使われます。
これまで「背に腹はかえられぬ」の表記において、「かえられぬ」はひらがな表記として来ました。
もしこれを漢字表記にする場合、「代える」なのか、「変える」なのか、「替える」なのか、はたまた「換える」なのか、いずれを使うべきかを解説しておきたいと思います。
「代える」とは、代用する事を意味し、「変える」は状態や場所を変化させる事を意味し、「換える」は他のものと交換する事を意味し、「替える」は同じようなものと入れ替える事を意味するものです。
このニュアンスの違いを考えると、もちろん「代える」が正しく、漢字表記では「背に腹は代えられぬ」とすべきです。
「変える」の表記を使われる方が多く、文章で書く場合には注意が必要なポイントと言えます。
「背に腹はかえられぬ」の言葉の使い方や使われ方
「背に腹はかえられぬ」の慣用句は、『企業経営者は、社員の雇用は守りたいと考えているが、経営破綻を回避するために、背に腹はかえられぬと、リストラに踏み切るケースが多いのです。』のように使います。
「背に腹はかえられぬ」の類語や言いかえ
「背に腹はかえられぬ」の類語としては、この慣用句を省略・短縮して「背より腹」が使われる事もあります。
また「苦しい時は鼻をも削ぐ」と命を守れるなら鼻を削がれるのは仕方ないと、「背に腹はかえられぬ」と同じようなことわざ由来の慣用句も言い換えとして使われます。
まとめ
「背に腹はかえられぬ」と言う慣用句は、背中を守るからと言っても、重要な内臓が入っているお腹を犠牲にする事は出来ず、やはり背中を犠牲にせざるを得ないと言うのが文字通りの意味です。
そこから転じて、大事な事のためには、他の事を犠牲にするのはやむを得ないと言う意味になるのです。