「度し難い」
度し難いは、分解して各意味を見ていくと、意味がよく分かる言葉です。
その「度し」と「難い」についてのそれぞれの意味は、後述の由来や語源にて詳しく解説します。
また、読み方は「どしがたい」で、こちらはそのまま読めば問題ありません。
特に特有の難しい読み方などはしません。
「度し難い」の意味
度し難いとは、「どうしようもない」、「救いようのない」という意味で使います。
呆れた様子を表現する時によく用いられる表現で、「度し難い奴だ」と使えば、「救いようのないほど駄目な奴だ」という意味になります。
きつい表現になるので、あまり頻繁に使うべきではありませんが、それほど駄目だという様子の表現に、それをこの一言で表わせる便利な言葉でもあります。
「度し難い」の言葉の使い方
度し難いは、そう思った時にこそ使う言葉です。
「何をやってるんだ」と思った時や、「どうしていつもそうなんだ」と思った際にも、「何とも度し難い」などという形で使えます。
後で詳しく説明しますが、「どうしようもない」の「ど」と、この言葉の「度」の由来は一緒です。
「度し難い」について詳しく見ていくと、「どうしようもない」の語源も一緒に分かります。
「度し難い」を使った例文・短文(解釈)
度し難いを使った例文や短文です。
いずれも呆れてしまうような様子に対して使っているので、いい表現にはなっていません。
「度し難い」の例文1
「あの人のだらしなさは本当に度し難い」
大人になってもだらしのない人は居るもので、いくら注意をしても直らない人も少なくありません。
そのような人にこそ、この「度し難い」がちょうどいい表現なのかも知れません。
ただし、思ったよりきつい言い方になっているので、直接本人に「度し難いだらしなさだ」などと使うのはあまりおすすめできません。
「度し難い」の例文2
「度し難い所業の数々に、さすがに愛想が尽きた」
「所業」は「悪い行為」という意味の言葉で、そんなことが数多く確認された為に、もう呆れて愛想が尽きたと言っています。
少々堅い文章になっていますが、「度し難い」という言葉は元々堅さのある表現なので、このような使い方も多く見られます。
「度し難い」の例文3
「今回車の修理を頼んだ業者の態度に度し難いものがあった」
このような文章を見ると、「度し難い」が「許し難い」と解釈されてしまいそうですが、それとは少々意味が異なります。
確かに「許し難い」という意味も含んでいると思って構いませんが、その前に呆れるほど悪い態度だったという意味の方が強い表現になります。
よって、呆れるほど態度が悪かったので、どうしようもないと思ったと言っている例文になります。
「度し難い」の例文4
「あの政治家は国民を馬鹿にしているのかと思うほど度し難い」
政治家の中には、そんな人も居るかも知れません。
実際にはそうではなくても、国民から見てそう思われてしまうような態度や発言は考えものです。
多くの人から度し難いとまで思われてしまっては、信頼の回復が大変なのは言うまでもありません。
「度し難い」の由来・語源
「度し難い」は、先に書いたように「度し」と「難い」の2つの言葉に分けて見ていくと、はっきりと意味が分かります。
まず、「度し」の「度」は、「救済制度」からきています。
これを略して「度」と使っており、「それさえ受けられる対象にない」という意味で「難い」と付けて、「どうしようもない」という意味となっているのです。
つまり、その「どうしようもない」の「ど」も、前述のように、元はこの「度」からきており、この言葉もまた、同じく「救済制度さえ利用できそうにない」という意味で使っているのです。