「姑息」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「姑息」

この「姑息」(こそく)は、元々は世間で考えられているイメージとは違う意味の言葉です。

そのイメージとして、「ずるい行為」が絡むと思っている人が多いのではないでしょうか。

本来の意味はそれとは違うものの、何故かそちらの意味で使われることが多くなった為、今ではそちらの意味でも使える言葉だと解釈されています。

「姑息」の意味

姑息は、「一時凌ぎ(に過ぎない)」が元々の意味です。

よって、よく使われる「姑息な手段」という表現は、本来「その場を凌ぐだけの一時的な手段」と解釈されるべきですが、多くの人は「卑怯な手段」などと解釈してしまうでしょう。

最近では、「姑息」はそちらの方の意味だと思っている人が約7割だという調査結果が出ていることもあり、むしろ、本来の意味を知っている人の方が少ないかも知れません。

何故その意味で定着してしまったのかと言えば、「こそく」の読みが「小癪」(こしゃく)と似ていることから、そちらの意味を拾って使われるようになったからだと言われています。

「小癪」とは、「こざかしい」という意味で、「卑怯」というニュアンスが多分に含まれています。

「姑息」の言葉の使い方

姑息は、現在では上記のように、「卑怯」だと思った時に使うのが一般的です。

本来の意味だと解釈している人が約15%だと言われているので、その意味で使う方がマイナーとなってしまっています(残りは意味が分からない、もしくは間違った意味で解釈してしまっているという調査結果です)。

その為、「一時凌ぎ」という元の意味で使ってしまうと、相手の解釈と齟齬(そご、噛み合わないこと)が発生する可能性があるので、こちらに注意するべきでしょう。

「姑息」を使った例文・短文(解釈)

姑息を使った例文や短文です。

本来の「一時凌ぎ」の意味で使っているものも挙げておきます。

前後の文章から、すぐにどちらの意味で使っているのかが分かるところにも注目です。

「姑息」の例文1

「あいつは何と姑息な奴だ」

このような使い方は、「卑怯」の方だとすぐに分かるでしょう。

「一時凌ぎ」の方で解釈してしまうと、文章としておかしくなってしまうからです。

今ではこの例文を見た時点で、「何と卑怯な奴だ」と言いたいのだと分かるでしょう。

言葉の本来の意味ではないながら、こちらの意味で使うのが当たり前だと考えて構いません。

「姑息」の例文2

「姑息な手段だと言われても、勝つにはそれしか方法がない」

卑怯な手段を使ってでも勝とうとしていると言っています。

決して褒められたことではありませんし、卑怯だと分かっているのなら、それによって勝ったとしても、何の価値味があるのかを考えないといけないでしょう。

「姑息」の例文3

「あそこまで姑息なことをされたら、さすがに怒って当たり前だろう」

これもまた、「卑怯」という意味にしかとれない文章です。

このように卑怯という意味で使う場合、そのまま卑怯とするより「陰湿さ」を表現できるという特徴があります。

それは、言葉に「姑」(しゅうとめ)という漢字が入っているからに他ならず、この漢字がある為に、本来の意味より「卑怯」という意味の方が一般的になってしまったとも言われているくらいです(これには諸説あります)。

「姑息」の例文4

「そんな姑息な方法で凌いでも、どうせすぐにまた困ることになるぞ」

「一時凌ぎ」 という本来の意味で使うのであれば、このような形になります。

この場合には「卑怯」と解釈するとおかしくなるので、そちらの意味ではないとすぐに分かりますが、卑怯だという意味でしかこの言葉を知らない人だと、何を言われているのか分からないかも知れません。

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