「全米が泣いた」
「全米が泣いた」は「ぜんべいがないた」と読みます。
慣用句ではなく比喩表現を使ったメディア用語です。
「全米が泣いた」の意味
「全米が泣いた」の意味と解釈について紹介します。
「全米が泣いた」の意味
「全米が泣いた」の意味は、「アメリカ中の人々が感動して泣くほどの」ということです。
この言葉は主にアメリカで制作された映画に使われるキャッチコピーです。
恋愛ものでヒロインやヒーローが悲しい目や辛い目に遭った末に結ばれたり、子供や動物が様々な冒険を乗り越えて成長していくストーリーなどに使われます。
ハッピーエンドばかりではなく、ノンフィクションとして作られた映画では主人公が不幸になったり命を落としてしまうものもあり、観てる人の涙を誘う作品も対象となります。
「全米が泣いた」の解釈
「全米が泣いた」はあくまで比喩的表現ですので、文字通り「全てのアメリカ人が一人残らず泣いた」という意味ではありません。
「その映画を公開したところ、各地で大好評で感動して泣く人が多かった」という意味で使われているのです。
「全米が泣いた」は、ポスターやパンフレットではなく映画の予告CMで使われる言葉です。
予告CMは短い時間でその映画の魅力を最大限に伝える必要があり、その為に最も簡略的でしかも印象に残る表現として「全米が泣いた」と使っているのです。
この言葉を画面とナレーション入りで聞くと「そこまで素晴らしいのなら観てみよう」と思うでしょう。
かなり誇張した表現であり、欧米志向の強い日本人の心をくすぐる言葉なのです。
「全米が泣いた」の言葉の使い方
「全米が泣いた」の使い方には以下のポイントがあります。
アメリカ作品に限ること
「全米が泣いた」は「本場アメリカでもそれだけ感動する人がいた映画」という意味です。
対象となる映画はアメリカ作品に限り、日本で公開される前にキャッチコピーとして使われます。
当然邦画も対象になりません。
アメリカ人には通用しない
「全米が泣いた」は日本向けに考えら得た商用コピーであり、アメリカ人には通用しません。
その映画を知らない人も多く、そもそもアメリカ人が全員感動して泣くタイプの人ばかりではありません。
動画配信の場合
最近では動画配信をしているドラマで「全米が泣いた」と使われることがあります。
但しこの場合、動画ですので映画館で人が観る訳ではありません。
「泣いた」というのはコメントで感動する人が多くいたという意味になります。
「全米が泣いた」を使った例文・短文(解釈)
「全米が泣いた」を使った例文と解釈を紹介します。
「全米が泣いた」の例文1
「感動のクライマックス、全米が泣いた作品」
映画の宣伝CMでよく流れるナレーションです。
宣伝CMは、その日お目当ての映画を観に行った時に最初に流れるものです。
そこで観客の印象に残る様にすればその映画の興行収入もアップします。
最も盛り上がるシーンのカットと共に耳に入る言葉です。
「全米が泣いた」の例文2
「全米が泣いた映画っていうから観たけど、大したことなかった」
宣伝CMに興味を持ち公開と同時に映画館に行ったのですが、さほど感動する様な内容でなかった時の言葉です。
いかにプロモーションをする側が戦略を練っているかが分ります。
「全米が泣いた」の例文3
「全米が泣いたと言うけれどもちっとも話題にならずに終わった」
派手なキャッチフレーズで日本公開されたのですが、興行収入が伸びずにすぐに打ち切りになってしまったことを表しています。
観た人がガッカリしている気持ちが伝わります。
「全米が泣いた」の例文4
「全米が泣いたというのは嘘くさいけれども確かに泣ける映画だ」
この人は実際に映画を観て泣けたのでしょう。
「全米が泣いた」というのはさすがに大袈裟だとは解かってはいますが、そう宣伝する位の価値はある映画だということを伝えています。