「苦艱」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「苦艱」

この「苦艱」には、読み方が2つあります。

1つは「くかん」で、通常はこちらで読むことが多いですが、「くげん」と読むこともできます。

「艱」の漢字の音読みは「かん」で、「げん」という読み方はありませんが、「艱しい」と書いて訓読みで「けわしい」という読み方があるので、「くげん」という読みはここからきているのではないかと考えられています。

「苦艱」の意味

苦艱は、「苦しい目に遭った為に悩んでしまう(しまった)」ことを表現します。

今ではあまり見聞きすることはありませんが、昔はその意味を表す時にそれなりに使われていた言葉です。

また、純文学と言われるジャンルの小説では今でも用いられる表現で、かつての菊池寛の小説では好んで使われていた言葉でした。

「艱」の字が常用漢字ではない為、メディアではまず使用しない言葉です。

尚、上記の菊池寛は自身の作品で、この「苦艱」「くげん」と読ませていました(そのように仮名が振ってあります)。

「苦艱」の言葉の使い方

苦艱は、それほどの目に遭ったことを表現する言葉の為、できれば使うことがない方がいいと言えるでしょう。

基本的に、自らをそうだと使う言葉で、人に対して使うことはほとんどありません。

それは、この言葉の意味が「悩んでしまう(しまった)」ことなので、人がその状態なのかを判断するのは難しいと言えるからです。

「苦艱」を使った例文・短文(解釈)

苦艱を使った例文や短文です。

いい意味のある言葉とは言えないので、下記の例文もあまり読んでいて面白いものではないでしょう。

「苦艱」の例文1

「過去に受験勉強で大変な苦艱を受けた経験がある」

「苦艱」は、この「受けた」「感じた」と使われることが多い言葉です。

悩んでしまうことなので、そうなってしまったということをそのように使って表します。

この例文の受験勉強などの苦しみや悩みが伴うことに使うとちょうどいい言葉です。

「苦艱」の例文2

「納期が1ヶ月も縮まってしまった為に、地獄のような苦艱を受けることになった」

納期が短くなった所為で、かなりの苦しみや悩みを抱えることになったと言っています。

この「苦艱」には、その前にこの例文のような「地獄」や上の例文で使っていた「大変」などいった言葉がよく使われます。

「苦艱」だけでも充分に苦しみや悩みを表すことができますが、更にその強調の為にそういったように使うことが多いのです。

「苦艱」の例文3

「会社で色々な苦艱を訴えたが、全く相手にしてもらえそうにない」

色々な苦しみや悩みがあると訴えたと言っています。

この「訴える」と組み合わせる形もよく見掛ける使い方です。

この例文だけでは、実際にどのようなことを訴えたのか分かりませんが、「苦艱」というからには、単なる忙しさや仕事の難しさだけでは物足りません。

それくらいで簡単に使う言葉ではないからです。

「苦艱」の例文4

「長く苦艱な状態が続いたが、やっと多少余裕ができた」

あまり使われない形ですが、この「苦艱な状態」とすることで、「苦しみ悩んでいた間」を表現することができます。

そのような「状態」を表現しているので、「長く」と先に付けて使うことができています。

「苦艱」の類語と解釈

この「苦艱」のような意味のある言葉をいくつか挙げていきます。

「苦悶」(くもん)

「苦悶の表情」などとよく使われる言葉で、苦しみや悩みを表現する為に使います。

「苦艱」との違いは、悩むことだけでなく、肉体的や精神的な苦しみを受けているという表現になります。

「苦衷」(くちゅう)

この言葉は、「苦艱」にかなり近い意味で使うことができます。

苦しんで悩んでいるということを指し、ほとんど同じ意味だと考えていいでしょう。

この「衷」もまた難しい漢字ですが、こちらは「艱」とは違って常用漢字の為、メディアなどでは「苦艱」の代わりに使われることが多くなっています。

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