「調節」と「調整」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「調節」と「調整」の違いとは?違い

この記事では、「調節」「調整」の違いを分かりやすく説明していきます。

「調節」とは?

「調節【ちょうせつ】とは、現在ある状態をより良い状態にするため度合いを整えることです。

主に、味、音量などを好みに合わせてちょうど良い状態に変えること、または温度、火加減、位置などの度合いを変えて快適な状態に近づけることを指して使われます。

「調節」に使われている漢字の意味を見てみると「調」はととのえる、つりあわせることを表し、「節」はちょうど良くすることを表しています。

これらの漢字を組み合わせた「調節」「ちょうど良い状態にするため、現在ある状態に手を加えて整えること」を示していることが分かります。

「調節」は、現在ある状態の良し悪しに関わらず、さらに望ましい状態へ近づけることを意味している言葉です。

また、それは明確な基準に合わせるのではなく、好みや主観で「ほど良い」と感じる状況に合わせることを指しています。


「調節」の例文

・『私は熱めのお風呂が好きなので、お湯の温度を調節してもう少し熱くした』
・『料理に別添えの唐辛子を加え、好みの辛さに調節する』


「調整」とは?

「調整」【ちょうせい】とは、釣り合いの取れていない状態をまとめること、基準や都合の良い状態に合わせて整えることです。

主に、うまく機能していない物を手直しすること、全体のバランスを整えること、スケジュールや複数の意見をひとつにまとめることなどを指して使われます。

「調整」は、ととのえる、つりあわせることを表す「調」ときちんと揃えることを表す「整」を組み合わせており、漢字の意味から「現在ある状態をある基準に合わせて整える、揃えること」を指していることが分かります。

「整」の持つ意味から、「調整」が必要な状況とは「ある基準や理想の状況と比べ、悪い、釣り合いが取れていない状況」が前提になっていることがうかがえます。

「調整」「きちんと揃っていない状況をこれから整えること」を表しているのです。

「調整」の例文

・『来月のスケジュールを調整する』 ・『戸の建てつけが悪かったが、ネジを調整したらスムーズに開閉するようになった』
・『社内の各部署から出た意見を調整し、ひとつにまとめた』

「調節」と「調整」の違い

「調節」「調整」の違いを、分かりやすく解説します。

どちらも現在ある状態に手を加え、快適な状態に整えることを表します。

「調節」「調整」はよく似ており、互いに類語の関係にありますが、意味は微妙に異なります。

違いは、「調節」が現状の良し悪しにかかわらず、好みに合わせてより良い状態に整えるのに対し、「調整」は現状が悪い、あるいはまとまっていないため、最適な状態になるようきちんと整えることを指しているところです。

「節」「整」が持つ漢字の意味に着目すると、両者のニュアンスの違いがわかりやすいでしょう。

まとめ

「調節」「調整」はよく似ているので、どのような状況でどちらを使えば良いのか判別が難しい言葉でもあります。

ただし、意味を理解しニュアンスの違いさえ分かれば、使い分けに迷うことはなくなるでしょう。

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