うろ覚えに学んでいた言葉が、実はまったく異なる意味をもつ場合もあります。
この記事では、「調整」と「調製」の違いを分かりやすく説明していきます。
よく似た言葉の、絶妙な差を知って生活に役立ててみてください。
「調整」とは?
調整とは手直しをして、バランスの良い状態にすることです。
アンバランスで不釣り合いなところを見つけて、手直ししていく作業です。
調整という熟語は「調べる」と「整える」という2つの言葉が用いられています。
つまり今の状態をあちこちの方向から調べて、良くないと思う箇所を整えていくのが「調整」なのです。
調整は楽器のチューニングの作業とよく似ているといわれます。
楽器の音程を整える作業をチューニングというのですが、この場合「ある基準にしたがって」音を合わせていきます。
調整にはスタンダードな物差しがあって、それに近づけていくという語彙も含まれているので抑えておくと良いでしょう。
「調製」とは?
調整とよく似ているのが、調製です。
調製とはマニュアルに合わせて、物をつくること。
またお客さんの要望にあわせて、商品を仕上げていくことを指しています。
おもに製造業でつかわれる専門用語になります。
調製は「調べる」と「整える」という語彙が組み合わさったものです。
「整える」という言葉は、均整や整合という熟語にも使われるように「きちんとした状態に仕上げていく」というニュアンスも含まれています。
そのため調製には、不都合だったものを修理していく・補修していくという意味もあります。
お客さんからクレームがあった部分を、完成形に向けて再び直していくときにも用いられるので覚えておくと良いでしょう。
「調整」と「調製」の違い
どちらも同じ「調」の漢字が含まれているので、勘違いして使用してしまう場合もあります。
「調整」と「調製」の違いを、分かりやすく解説します。
・モノ作りの現場なら「調製」 調整と調製には、どちらも正しく整えるという意味があります。
ただ調整はスケジュールの調整や会場の調整にも用いられ、日程や段取りをととのえるという意味で使われることが多いです。
手配や申し合わせ、チューニングなどの目的でつかいます。
また調製は主に製造業で使われる言葉で、お客さんの注文を受けて型どおりにつくるという意味があります。
形のないものには調整を。
形あるものを具体的に作っている製造業の現場では「整える」という文字がはいった「調製」と抑えておくと良いでしょう。
仕事の内容によって使い分けていくことが大切です。
まとめ
「調整」と「調製」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも悪い部分を調べて、完成させていくという意味があります。
予定や日取りなど目に見えないものに関しては調整を。
商売物の製造や修理については、調製を用います。
どちらもとてもよく似た言葉になりますが、大きな差を正しく理解して知識力をアップさせていきましょう。
