この記事では、「操行」と「素行」の違いを分かりやすく説明していきます。
「操行」とは?
よいか悪いかという面で見た、普段の行いです。
「操」は、みさお、固く守って変えない志という意味、「行」は、おこない、おこなうという意味を持つ漢字です。
道徳的な面から見た普段の行いを指しているので、歯磨きをする、顔を洗う、食事をするといった普段の行いを指しているのではありません。
道徳的な面から見たとは、善悪を判断して正しい行為をするために守らなければならない規範のことです。
たとえば学生の場合だと、校則を守らないのは、道徳的によい行いをしているとはいえません。
未成年なのに喫煙や飲酒をするといったことも正しい行いとはいえないでしょう。
学生に限らず、道にゴミを捨てる、盗みをするといったことも、道徳的に正しい行いとはいえません。
こういった行いをしているようだと「操行が悪い」と判断されてしまいます。
「操行」の使い方
普段の行いという意味で使用をします。
この言葉が意味している普段の行いとは、道徳的な面から見たものです。
日常的にこの言葉を使用することはあまりなく、文章語として使われています。
「素行」とは?
普段の行いのことです。
よいか悪いかという面から普段の行いだけでなく、日常の行い全般を指していう場合が多いです。
「素」は、つねづね、ふだんという意味がある漢字です。
探偵に依頼をすると「素行調査」というものを行ってくれます。
これは、ある人の普段の行いを調べるものです。
どこに行った、誰と会った、何をしたなどを調べてもらえます。
今道にゴミを捨てた、電車内で席を譲らなかった、など道徳的なことを調べるのではありません。
だれと会ったなどを調べることで、浮気をしていないか、トラブルに巻き込まれていないかなどを把握することができます。
「素行」の使い方
普段の行いという意味で使用をします。
道徳的な面から見たものだけでなく、どこに行く、誰と会うなど、日常の事柄を指しています。
「操行」と「素行」の違い
どちらの言葉にも普段の行いという意味がありますが、「操行」は道徳的な面から見たものを指しており、「素行」は日ごろの行い全般を指している点が違います。
また、「操行」は日常の会話で使うことはほとんどなく、文章語として使用される点にも違いがあります。
「操行」の例文
・『操行を評価する』
・『操行がよくない』
・『操行点は丙だ』
・『操行を慎む』
「素行」の例文
・『素行が悪いと判断された』
・『素行を調べてもらう』
・『ある人の素行が問題となっている』
・『素行が悪くても仕事で結果を出しているので許す』
まとめ
どちらの言葉にも普段の行いという意味が含まれていますが、道徳的な面から見たものなのか、常日頃の事柄なのかという点に違いがあります。
また、文章語として使われるのか、日常会話で使われるのかも違いがあります。