大相撲の中で最も栄誉あるのが幕内最高優勝です。
全ての力士は優勝支配をめざして日々切磋琢磨していますが、幕内最高優勝の中でも珍しいものとして「平幕優勝」と「幕尻優勝」があります。
こレラの言葉は一体何を意味しているのでしょうか。
今回は、大相撲の「平幕優勝」と「幕尻優勝」の違いについて解説します。
「平幕優勝」とは?
大相撲の「平幕優勝」とは、「横綱でも三役でもない前頭の地位にある力士による幕内最高優勝」を指します。
大相撲は地位によりいくつかのランクに分類され各ランクごとに優勝を争います。
一番下の序の口から始まり、序二段、三段目、幕下、十両ときて最も上位にあるのが幕内です。
幕内力士はさらに幾つかの描くにわかれます。
力士の最高位である横綱を筆頭に大関、関脇、小結の三役と続き三役以下の幕内力士は前頭と呼ばれます。
前頭の格にある力士のことを役付ではない幕内力士という意味で「平幕」と呼びます。
横綱および三役とくらべて実力も待遇も低い平幕の力士が優勝するのは非常にまれなことす。
平幕でありながら上位陣に勝って優勝した力士の栄誉を称える意味でその優勝を特に「平幕優勝」と表現します。
「平幕優勝」の使い方
・新進気鋭の若手力士が平幕優勝を成し遂げた。
・上位陣の成績が振るわないので平幕優勝も十分ありえる情勢だ。
・初日から連勝を続ける力士に対して平幕優勝の期待がかかる。
・怪我のせいで番付を落としてしまった元大関の力士だが実力が戻れば平幕優勝も夢ではない。
「幕尻優勝」とは?
大相撲の「幕尻優勝」とは「幕内力士の中で最も下の地位にある力士による幕内最高優勝」という意味です。
「幕尻優勝」の「幕尻」とは「幕内の最も下」を意味します。
幕内に厳密な定員はありませんが一般的に平幕と呼ばれる前頭の力士は東西それぞれ十五枚目前後です。
横綱と三役がそれぞれ東西ひとりずつだとすると幕内全員合わせて38名で幕内最高優勝を争うことになります。
「幕尻優勝」とは前頭十四~十六枚目辺りの幕内で最も下の地位にある力士による優勝を指します。
最も下の地位と言っても東西を区別することはありません。
力士の番付は東西にそれぞれひとりずつ置かれるので「幕尻優勝」の可能性があるのは一場所につき最高でふたりです。
ただし、人数の関係で幕下最下位の番付に東西が置かれずひとりのみのこともあります。
この場合は「幕尻優勝」と呼ばれる可能性があるのはひとりだけです。
「幕尻優勝」の使い方
・幕尻優勝を目にする機会はほとんど無い。
・上位陣総崩れで幕尻優勝もあり得る。
・将来の横綱と期待される新入幕の幕尻力士が幕尻優勝する勢いで連勝している。
・幕尻まで番付を落としたが必死の稽古を重ねて幕尻優勝を狙う。
「平幕優勝」と「幕尻優勝」の違い
「平幕優勝」が前頭の地位にある力士による優勝を指すのに対し「幕尻優勝」は幕内の中で最も下つまり前頭の中でも一番下の地位にある力士による優勝を指します。
「幕尻優勝」は「平幕優勝」の一種であり最も下の力士による優勝という限定的なケースを指す言葉です。
まとめ
「平幕優勝」と「幕尻優勝」には明確な違いがあります。
どちらも非常に珍しく大波乱を指す言葉ですが正しく意味を理解しておかないと誤解を招いてしまうので注意してください。