意見をいうことを表す言葉に「進言」と「諫言」があります。
どちらも上の立場の人に対して意見をいうときに使われる表現ですが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は「進言」と「諫言」の違いについて解説します。
「進言」とは?
「進言」とは「上の立場にある人に対して積極的に意見を述べること」という意味の言葉です。
「進言」には「自ら進んで意見をいう」という意味があります。
その意見が有益なものであると革新した上で自らの意志により積極的に目上の人に対し意見をいう行為が「進言」の意味するところです。
一般的に「進言」と表現する場合は上の人間の求めに応じて発せられた意見ではなく、上から求められる前に出された意見を意味します。
どう思う?と問われて答えるのではなく、問われる前に伝えた意見が「進言」に当たります。
「進言」は考えや提案などに対して使われる表現です。
感想や気持ちなどあいまいではっきりしたものではなく、戦略や手段など具体性のある意見を積極的に伝えた様子を表すのにふさわしい言葉です。
意見を伝える対象は個人であることが多く、組織や団体などに意見を伝える際にはあまり使われません。
「進言」の使い方
・司令官に総攻撃を進言する。
・進言を聞き入れて体制の見直しに着手する。
・積極財政の進言に対し総理ははっきりとした返答を避けた。
・海洋汚染問題について専門家が大臣に進言する。
「諫言」とは?
「諫言」とは「目上の人の振る舞いや言動など問題点を指摘し改善するよう忠告すること」という意味の言葉です。
「諫言」はかなり古い言葉で最近はあまり使われません。
もともとは家臣が本来の立場や身分差を超えて主君の問題行動をたしなめるときに使われていた表現で、上の人間に耳の痛い言葉を届けるのが「諫言」の意味する内容です。
現在でも上の人間の過ちを指摘し改善を求めることを「諌める」と言いますが、諌めるための言葉が「諫言」です。
「諫言」は絶対的な身分差、格差のあるときにふさわしい表現なので現代で使う場面は限られます。
経営者の放漫経営を部下が厳しく指摘するケースなどは「諫言」に当たりますが、上司と部下程度の上下関係で「諫言」を使うのはやや大げさです。
「諫言」の使い方
・主君に諫言を伝えるのが家老の役目だ。
・諫言に耳を貸さない経営者は必ず失敗する。
・諫言を受け入れるだけの器量がある人物はそうそういない。
・成功に必要なのは褒め称える美辞麗句ではなく厳しく指摘する諫言である。
「進言」と「諫言」の違い
「進言」と「諫言」はどちらも上の人間に意見を述べることを意味します。
ふたつの違いは伝える内容です。
「進言」は言われる側の目上の人間にとって価値のある内容の意見に対して使われる表現です。
「諫言」も価値ある意見ですが厳しく耳の痛い内容であり言う側にもある程度の覚悟が必要です。
まとめ
「進言」と「諫言」は似ているようで全く違う意味の言葉です。
混同すると誤解を招いてしまうので正確な意味を知っておきましょう。