「拙速な判断」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「拙速な判断」とは?意味と使い方

判断の良し悪しを評価する言葉はいろいろありますが、その中のひとつに「拙速な判断」という表現があります。

政治やビジネス、スポーツなどでも普通に使われている表現ですがいったいどのようなことを指しているのでしょうか。

今回は、「拙速な判断」の意味と類似表現について解説します。

「拙速な判断」とは?意味

「拙速な判断」とは「迅速だがまずい判断」という意味の言葉です。


「拙速な判断」の概要

「拙速な判断」「拙速」には「つたなく速い」という意味があります。

弱々しく頼りないさまを表す「つたない」とあるように「スピーディーだが内容はいまいち」という意味で使われます。

そのように「素早く判断されたが内容がともなっておらず最良の結果は期待できない」ことを指して「拙速な判断」と表現します。

「拙速な判断」という表現は基本的にネガティブな意味合いで使われます。

スピードはどんな判断においても重要な要素ですがただ早ければいいというものではありません。

判断が素早くでも間違っていたり期待はずれに終わったりするようであれば台無しです。

「本来ならもっと時間をかけて熟慮すべきなのに焦りや勢いで軽はずみに判断してしまう」という否定的なニュアンスがこめられた表現です。

由来は古代中国に記された中国の兵法書「孫子」「拙速は巧遅に勝る」からきています。

「不十分であっても素早いほうが優れているが遅いよりもいい」という意味の格言です。

もともとの意味は「判断は速いほどいい」という肯定的なニュアンスでしたが現実的には判断を急いで失敗するケースのほうが多いことからいつの間にか否定的なニュアンスでの使用が主流となり、現在では判断の稚拙さを指摘する際に「拙速な判断」という表現が使われルケースが多く見られます。

ただし、現在でも否定的な使い方だけではなく肯定的な意味でも使われることがあるので前後の文脈を見て意味を判断してください。


「拙速な判断」の言葉の使い方や使われ方

・拙速な判断だと指摘される。

・拙速な判断だったが手遅れにならずに済んでよかった。

・先発投手を2回で降板させたのは拙速な判断だった。

・総理の拙速な判断がワクチン接種率向上につながった。

「拙速な判断」の類語や言いかえ

・早合点
「話を最後まで聞くことなく一人で勝手に納得すること」という意味の言葉です。

本来聞くべき話を最後まで聞かずに自分勝手に決めつけ判断するさまがよく似ています。

「拙速な判断」は交渉や経営戦略など人に対する指示や対局に係る決定などに使われますが、こちらは自分個人の納得に対して使われる表現です。

・性急な判断
「気が急いてせかせかしている様子」を表す「性急」「拙速」の類語です。

言葉の意味としては必ずしもつたない判断を指すものではなくいい結果につながる判断も含みますが、実際にはまずい判断や判断ミスなど悪い結果を招く判断に対して使う用法が目立ちます。

・早計
「軽率で早まった考え」を指す言葉です。

「拙速な判断」が判断そのものを指しているのに対しこちらは考えそのものが早まったものであることを意味します。

まとめ

「拙速な判断」は本来肯定的な意味の言葉ですが現在では否定的なニュアンスで使われることが多く、誤解や誤読を招きやすい表現です。

本来の意味を知った上でどのような意味合いで使われるか文章や話の流れを見てしっかり確認してください。

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