この記事では、「実証」と「検証」の違いを分かりやすく説明していきます。
「実証」とは?
「実証」には3つの意味があります。
1つめは、確かな証拠です。
この証拠には間違いがない、といった意味になります。
あるところに、毛の一部が抜けている猫がいました。
何か薬品をかけられて毛が抜けてしまったように見えますが、実際に薬品をかけられたところを見たわけではなく、また薬品をかけられていたとしてもすでに流されてしまっているため、確かな証拠があるわけではありません。
この場合は「実証」がないといえます。
2つめの意味は、確かな証拠を持って説明することです。
事実によって説明することを意味しています。
配膳ロボットがあったとします。
この配膳ロボットは客の立場になって考えて、配膳・下げ膳を行うとされています。
しかし、実際にやってみないと、それが本当なのかわかりません。
そこで、実際に飲食店で導入をしてみて、配膳・下げ膳ができるかを試し、実際にできることがわかりました。
これによって事実ができあがりました。
事実によって確かであることを説明しているので、これは「実証」といいます。
3つめの意味は、漢方で症状の一つです。
漢方には、証というものがあります。
証には、「実証」と「虚証」があります。
「実証」は邪気の亢進した状態を指しています。
「実証」の使い方
確かな証拠という意味や、実際の事柄で説明するという意味で使用をされることが多いです。
「実証実験」の形で使われることもあります。
「検証」とは?
「検証」には2つの意味があります。
一つは、実際に物事に当たって調べ、仮説などを証明することです。
調査によって仮説を証明することを意味しています。
いろいろな方法で調べてみて、そして事実を明らかにすることをいいます。
たとえば、減塩で長生きができるとい仮説があったとします。
そこで、塩分摂取量が少ない人と多い人とで寿命を比較してみたり、動物を使った実験を行ったりして、本当かを確かめてみました。
調査をして明らかにしようとしており、これを「検証」といいます。
もう一つの意味は、裁判官や捜査機関が実際に現場の状況や人・物を観察して証拠調べをすることです。
「検証」の使い方
調査をして仮説などを明らかにするという意味で使用をします。
「実証」と「検証」の違い
明らかにするという意味を持つ2つの言葉ですが、どのように明らかにするのかという点に違いがあります。
前者は、事実によって明らかにしていきます。
後者は、調査によって明らかにしていきます。
「実証」の例文
・『まだ実証されていません』
・『事実が実証されました』
・『マウスから実証された事実』
「検証」の例文
・『検証を続けていきます』
・『科学的な検証を行う』
・『今後の可能性を検証する』
まとめ
どちらの言葉にも明らかにするという意味が含まれていますが、どのようにして明らかにするのかという点に違いがあります。