スポーツの試合の公正な運営に欠かせないのが判定役です。
判定役を表す言葉として「審判」と「主審」がありますが、このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「審判」と「主審」の違いについて解説します。
「審判」とは?
「審判」とは「スポーツの試合において試合を円滑に進める責任を負いルールにしたがって判定を行う役割」を指す言葉です。
一般に「審判」と言うと「ルールの判定を行う人物」のことを指します。
競技中に反則を取り締まったり得点を勘定したりプレーの裁定を下したりと「強い権限を持って試合を支配し統括運営する」人物が「審判」です。
「審判」は試合中とても強い権限を有しています。
選手はどのスポーツでもチャレンジやリプレイなど制度として規定されている以外の方法で判定逆らうことは認められていません。
試合においては「審判」は絶対であり、それゆえに高度な知識と技術が要求されます。
試合中に移動を伴う「レフェリー」、一箇所にとどまって判定を行う「アンパイア」、優劣の評価を行う「ジャッジ」などスタイルや役割によっていろいろな名称がありますが、これらは全て日本語では「審判」となります。
「審判」の使い方
・審判の判定通りラインアウトとなった。
・興奮した選手の間に審判が割って入る。
・サッカー人気が高まる一方、深刻な審判不足が生じている。
・審判の技術が低いと試合が台無しになってしまう。
「主審」とは?
「主審」とは「一つの試合に複数いる審判がいるときに最も強い権限を有し主な判定を下す役割」を指す言葉です。
スポーツによって「審判」の人数はさまざまです。
一人ですべての判断を行うスポーツもありますが、多くのスポーツでは競技場の広さや役割を分担するなどの理由で複数の人間が「審判」として試合に参加します。
このように一つの試合に参加する複数の「審判」の集団のことを「審判団」といいます。
「主審」は審判団のトップでありその試合における判定の最高責任者にあたる人物です。
「主審」の使い方
・主審の合図で試合が開始された。
・主審のコールによりアウトの判定がインに変わった。
・ストライクとボールの判定は主審の役割である。
・国際試合の主審は判定に偏りが出ないよう両国と無関係の国から選ばれるのが通例だ。
「審判」と「主審」の違い
「審判」はスポーツの試合における判定役の全てを指す言葉ですが、「主審」は判定役のうち主たる役割を務める一人のみを指す言葉です。
試合で判定を行う「審判」はその役割によって様々な名称で呼ばれます。
「線審」「塁審」「球審」「副審」などいろいろな役割や立場がありますが「主審」もそのような役割のひとつです。
スポーツにより役割や仕事は異なりますがその試合における中心的な判定を下す役割が「主審」であり、部分的な判定のみを行う「線審」「塁審」などを統括する判定上の最高責任者でもあります。
「審判」は判定役の総称で、試合の中で最も高い立場にある主な「審判」を指すのが「主審」です。
まとめ
「審判」と「主審」はどちらもスポーツで使われる言葉ですが意味合いは全く異なります。
「主審」を「審判」と表現するのは正しいですが「審判」を「主審」と呼ぶのは間違いです。
言葉の指すものを正しく認識し、誤った使い方に注意してください。