この記事では、「憶測」と「推測」の違いを分かりやすく説明していきます。
「憶測」とは?
自分で勝手に見当をつけることです。
確かな証拠がなく、いい加減に見当をつけることを意味しています。
「憶」は、おしはかるという意味のある漢字です。
「臆」と書くこともあります。
「臆」にも、おしはかるという意味があります。
「測」も、おしはかるという意味を持つ漢字です。
つまり、「憶測」とは、おしはかるという意味を持つ漢字を2つ重ねていることになります。
おしはかるとは、似ているような事柄を当てはめてみて見当をつけること、わかっていることから見当をつけることです。
ある人が高級車を所有していたとします。
この人の仕事からして、高級車を持つなんて考えられません。
そのため、愛人から贈られたのではないか、借りているのではないか、中古で購入したのではないかなど、さまざまな声があがりました。
はっきりした根拠がなく言っていることなので、これらの声は「憶測」だといえます。
「憶測」の使い方
はっきりした根拠がなく勝手に見当をつけることを指して使用する言葉です。
根拠があって何かを述べている場合には使用しません。
「推測」とは?
すでにわかっている事柄や状況から見当をつけることです。
「推」は、おしはかるという意味がある漢字です。
冷凍食品の売り上げのことで考えてみます。
家で過ごす機会が多くなり、自宅で食事をする人が増えました。
冷凍技術が向上したことや、食品製造の技術が向上したことで、冷凍食品の品質がよくなりました。
これまでの売り上げを見ると、少しずつ伸びています。
これらのことから考えて、今後も売り上げが伸びると予想されます。
これは、わかっている事柄をもとに見当をつけているので「推測」といいます。
「推測」の使い方
これまでにわかっていることをもとにして見当をつけることを指して使用をします。
はっきりと「こうだ」とわかっている事実の意味ではなく、おしはかることを意味しています。
「憶測」と「推測」の違い
どちらの言葉にも、おしはかるという意味を持つ漢字である「測」が使用されており、2つの言葉には見当をつけるという意味が含まれています。
しかし、どのように見当をつけるのかという点に違いがあります。
前者の言葉は、勝手に見当をつけることです。
根拠もなく行っています。
後者の言葉は、わかっていることをもとに見当をつけることです。
「憶測」の例文
・『いろいろな憶測がされている』
・『憶測を述べていた』
・『そういった憶測を招いたのだろう』
・『憶測が広がっている』
「推測」の例文
・『これまでの会話から推測してみました』
・『これから述べることは推測です』
・『彼の言葉から推測してみる』
・『推測を立ててみました』
まとめ
どちらの言葉にも見当をつけるという意味が含まれていますが、どのように見当をつけているのかという点が違います。