この記事では、「養成」と「育成」の違いを分かりやすく説明していきます。
「養成」とは?
衣食住などの面倒をみて育てること。
また、訓練をして知識や技術を身につけさせることです。
ボートレーサー養成所は、競艇選手を育てるための場所です。
この施設に入った選手は、競艇に必要な技術や知識を身につけていきます。
たとえば、水面に慣れる、モーターを装着する、体力をつけるなどの訓練をします。
こういったことを行っていく中で、一定の水準の技術や知識が身についていきます。
知識や技術を与えて育てているところなので「養成所」といいます。
知識や技術を与えて、人を育てていく場所には、さまざまなものがあります。
たとえば、芸能養成所、ヨガインストラクターの養成所、放送作家の養成所、俳優養成所などです。
「養成」の使い方
知識や技術を与えて、一定の水準以上に育て上げることを指して使用します。
「○○養成所」という場所があり、そのような場所で知識や技術が与えられています。
「養成講座」というものも開かれています。
主に人について使う言葉です。
「育成」とは?
育て上げるという意味です。
人をりっぱに育てることや、会社など人以外のものを育てることをいいます。
企業の後継者を育てることで考えてみます。
企業の社長など上の地位につくためには、それなりの知識や経営をする力が必要です。
こういったものを生まれながらに持っている人は少なく、多くの場合は後から身につけていきます。
後継者を育てるには、企業に関する知識を与えたり、実際に企業で働かせたりなどをします。
そうして、立派に育っていきます。
このことを「後継者を育成する」といいます。
日本のプロ野球には「育成選手」というものがいます。
この選手は、ペナントレース公式戦への出場を目指して、プロ野球選手としてのマナーを身につけたり、技術の向上に努めたりしています。
育てている選手なのです。
そのため「育成選手」といいます。
「育成」の使い方
立派に育てることを指して使用をする言葉です。
人や組織などについて使用をします。
「養成」と「育成」の違い
どちらの言葉にも育てるという意味が含まれていますが、意味合いが異なります。
「養成」は技術や知識などを与えて、一定の水準以上にすることです。
育てていくことに重点がおかれています。
「育成」は立派に育てることです。
育て上げた結果に重点がおかれています。
「養成」の例文
・『養成施設に入る』
・『養成講座を受ける』
・『養成課程を修了する』
・『養成所の先輩』
「育成」の例文
・『育成ゲームで遊ぶ』
・『技術者の育成に取り組む』
・『動物を育成した結果、大きくなった』
・『アスリートの育成に努める』
まとめ
育てるという意味を持つ2つの言葉ですが、知識や技術を与えて育てることに重点をおいているのか、育った結果に重点をおいているのかというところに、違いがあります。