「脱却」と「脱出」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「脱却」と「脱出」の違い違い

この記事では、「脱却」「脱出」の違いを分かりやすく説明していきます。

「脱却」とは?

好ましくない状況や考えから離れること、古い考えや欠点などを捨てることです。

場所というよりも、状況や考えから離れる、欠点などを捨てることを意味しています。

汚れている部屋は好ましくないという考えがあります。

部屋に物が散らかっている、ホコリがたまっているといった状態は、汚れているといえるでしょう。

こういった状態が続くと、カビやダニなどが発生をして健康に影響を与えたり、必要なものが必要なときにみつからず困ったりすることになります。

健康に影響を与える、必要な物がみつからないといった状態は、好ましくない状態だといえるでしょう。

そこで、部屋を片付けることにしました。

不要なものは捨てる、物は所定の位置に置く、汚れを取り去るなどをしました。

こうして汚れた部屋から抜け出すことができました。

この場合は「汚れた部屋から脱却する」ということができます。

好ましくない状況から抜け出しています。


「脱却」の使い方

好ましくない状況から抜け出す、古い考えや欠点などを捨てるという意味で使用をします。

「脱」という漢字には、ぬけだす、のがれる、自由になるという意味があるのですが、「脱却」という場合は場所から抜け出すことではなく、状況や考えなどから抜け出すことを指しています。


「脱出」とは?

危険な場所や好ましくない状況から離れることです。

プロ野球のリーグ戦で、最下位が続いているチームがいたとします。

試合をするたびに負けて、ずっと最下位です。

しかし、ある時から勝ち初め、ようやく最下位から抜け出ることができました。

このことを「最下位から脱出する」ということができます。

最下位はチームにとっては好ましくない状態です。

好ましくない状況から抜け出ているので「脱出」です。

ある国で戦が続いていたとします。

そこに住む人たちにとって、その国にいることは危険です。

この危険な状態から離れることができたら「脱出に成功した」といえます。

「脱出」の使い方

危険な場所や好ましくない状況から抜け出るという意味で使用をします。

古い考えや欠点などから離れる意味では使用しません。

「脱却」と「脱出」の違い

どちらの言葉にも、ぬけだすという意味を持つ漢字である「脱」が使用されており、2つの言葉は抜け出すという意味を持っています。

違いは、何から抜け出すのかです。

前者の言葉は、好ましくない状況や古い考えなどから抜け出すことを意味しています。

後者の言葉は、好ましくない状況や危険な場所から抜け出すことを意味しています。

「脱却」の例文

・『脱却をはかる』

・『これまでの生活から脱却する』

「脱出」の例文

・『危険地帯から脱出する』

・『多くの人たちが脱出に成功した』

まとめ

2つの言葉には抜け出すという意味が含まれていますが、何から抜け出すのかという点に違いがあります。

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