教会で耳にするメロディは、色々な種類があります。
この記事では、「讃美歌」と「聖歌」の違いを分かりやすく説明していきます。
知識をひとつずつ、増やしていきましょう。
「讃美歌」とは?
讃美歌(さんびか)とは、キリスト教の歌のこと。
神さまを仰ぎみるとき、崇めるときに教会で合唱される歌です。
もともと賛美歌は、プロテスタントというキリスト教の宗派から生まれたもの。
プロテスタントは、イエスキリストの言葉である「福音」をとても大切にしています。
この福音を音楽にあらわしたのが、賛美歌。
祈りの言葉、愛の言葉をメロディに落としたものが賛美歌です。
1960年代になると賛美歌は、より大衆的な音楽に。
アメリカではゴスペルやクリスチャンミュージックなどの音楽が生まれるようになりました。
日本でもカトリック系の幼稚園を中心に、子ども賛美歌と呼ばれる、ポップで可愛らしい音楽がうたわれています。
「聖歌」とは?
聖歌(せいか)も、キリスト教で熱心に歌われる音楽のこと。
古くからヨーロッパの集会所や教会で歌われてきた、伝統ある歌です。
聖歌もプロテスタントの宗派で歌われているジャンルです。
その歴史はふるく、世界最古といわれるのが8世紀のグレゴリオ聖歌。
ローマにある、カトリック教会から生まれました。
当時は今のように男女平等の認識がなく、グレゴリオ聖歌隊に入れたのは男性のみ。
ピアノ演奏のない、シンプルな楽曲でした。
グレゴリオ聖歌はその後のヨーロッパの音楽史に、大きな影響を与えた「由緒ただしき音楽」といわれています。
一説によると大晦日の定番「ベートーベンの第九」も、聖歌からヒントを得て生まれたものです。
「讃美歌」と「聖歌」の違い
どちらもキリスト教の、プロテスタント派にまつわる宗教歌です。
「讃美歌」と「聖歌」の違いを、分かりやすく解説します。
・グループの違いによるもの
「讃美歌」と「聖歌」は、どちらもキリスト教の教えを、分かりやすく歌にしたものです。
どちらも同じように使われていますが、起源に異なりが。
男性合唱者しか歌えないなど、厳格なルールのもとに生まれたのが聖歌。
対する賛美歌は男女一緒に歌われる、ポップな音楽です。
また日本では「キリスト教の合唱」のことを、所属する団体によって呼び方を変えています。
日本基督教団のグループは「讃美歌」。
そして日本福音連盟の団体は「聖歌」です。
同じ楽譜を使っていても、どの団体で歌うのかによって扱いが変わっているので注意しておくとよいでしょう。
まとめ
「讃美歌」と「聖歌」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらもキリスト教のプロテスタントの宗派が、神様への賛辞を歌にしたものです。
より歴史があるのは聖歌。
軽やかで決まりが少ないのが讃美歌です。
また所属する団体によって、呼び名の違いも。
日本では日本基督教団の団体は「讃美歌」。
日本福音連盟のグループは「聖歌」と定めています。
細かな違いを知って、信仰と教養を深めていってください。