「端を発する」について
「端を発する」は「たんをはっする」と読みます。
「発する」の部分を「ほっする」だと誤って覚えている人も多いので注意しましょう。
「端を発する」の意味とは
「端」と漢字は「はし」「はじっこ」という意味で捉えられがちですが、他にも「きっかけ」という意味があります。
また「発する」は「物事が起こる、始まる」という意味を持っていますから「端を発する」は「物事が始まるきっかけ」という意味で使用される言葉なのです。
「ある事がきっかけで何かが始まる」という意味だと捉えても構いません。
安直な表現をするのなら「~から始まる」「~をきっかけに」と言い換える事も可能です。
「端を発する」の言葉の使い方
「端を発する」という言葉は、サ行変格活用の動詞にあてはまります。
通常「端を発する」を文章として使用する場合は「~に端を発する」という様に、前に格助詞である「に」をつけて使うものです。
この「に」という格助詞は、起因を表すため「に」の前にある言葉が物事が始まる「きっかけ」そのものとなります。
「端を発する」を使った例文
どちらかというと「端を発する」は、改まった場面や文章として表現する際に多く使用される言葉です。
ですから、間違った使い方をしないように、例文を見ながらチェックしていきましょう。
「端を発する」の例文1
「朝帰りに端を発する夫婦喧嘩は、一晩経っても収まる気配はない」
朝帰りがきっかけ、原因となって夫婦喧嘩が始まったという意味で「端を発する」が使われているという例文です。
この場合、「端」は朝帰りを指し、「発する」のは夫婦喧嘩だと言えます。
このように「端を発する」は、喧嘩や争いごと、戦争などが起こったきっかけを表す際にも使われる事が多いものです。
「端を発する」の例文2
「被害者が声をあげた事に端を発して警察が動き、犯人が捕まった」
この例文では「端を発する」は連用形のカタチで使用されています。
被害者が声をあげた事が発端となって、警察が動いた結果として犯人が捕まったという内容です。
この例文でも「端を発して」の前に格助詞の「に」が使われている事が分かるでしょう。
それくらい「端を発する」は格助詞「に」との結び付きが強い言葉なのです。
「端を発する」の例文3
「家族の悲劇は父が出ていった事から端を発する」
殆どの場合は「~に端を発する」という形で使われますが、上記のように「~から端を発する」という文章も間違いとは言い切れません。
この例文の場合は、父が出ていった事がきっかけ(原因)となり、家族の悲劇が始まったという意味になります。
「から」は起点の意味がありますが「に」を用いた方が一般的ですので、こうした例文もあるとだけ頭にいれておくと良いでしょう。
「端を発する」の英語と解釈
「端を発する」のもっとも簡単な英語表現なら“start with”でしょう。
“start with~”はどちらも中学1年生レベルの英語ですが「~から始まる」「~に端を発する」と訳せます。
他にも“stem from~”が「~から生じる」「~から起こる」そして「~に端を発する」という意味になるでしょう。
「端を発する」の類語や類義表現
「端を発する」は、若干堅苦しい表現だと言えるかもしれません。
似たような意味を表現出来る類語や類義表現を探してみましょう。
「発端となる」
「端を発する」を反対にして縮めた「発端」ですが、意味は「物事の始まり」です。
意味自体は、ほぼ「端を発する」と同じですが読み方は「はったん」ではなく「ほったん」となるので注意してください。
「起因する」
「起因する」とは物事の起こる原因という意味になります。
端を発するの端も「原因」や「きっかけ」という意味があり、同じような表現をする事が可能ですし、言い換えとして用いても問題はありません。