この記事では、「由緒正しい」の意味を分かりやすく説明していきます。
「由緒正しい」とは?意味
「由緒」は、「ゆいしょ」または「ゆしょ」と読みます。
「ゆいしょ」のほうが馴染みのある読み方ではありますが、あくまでも慣用読みであり、「ゆしょ」→「ゆいしょ」となりました。
まず、由緒とは古くから現在までの来歴という意味です。
そもそも、「由」には、いわれや出所といった意味があり、「緒」にも物事の始まりという同じような意味があります。
そして由緒は、家柄や身分について用いる言葉ですから、家柄が立派であることを意味しています。
「由緒正しい」の概要
現在は家柄や身分について、とやかく言う人も少なくなりました。
ところが、以前は由緒正しいか否かは多くの人にとって当たり前の関心事だったのです。
特に婚約の際には両家の格が同程度か、そうでないのかが重要で、うやむやのままであることをご法度としていました。
現代社会において結婚は当人同士の問題とされていますが、ひと昔は双方の家同士の問題だったために、「家柄に相応しくない」ことを理由に破談になったことも珍しくはありません。
家柄について詮索することこそナンセンスであると感じる現在は、余程のことが無い限り両家のバランスの悪さを理由に破談になることは激減しています。
ただし、家柄を誇る家系は相応のしきたりが存在するため、覚悟を持って婚姻関係を結ばないと深く後悔することになるでしょう。
また、由緒正しいということは単なるお金持ちの家系であることとは違います。
代々、名誉も地位もあり、さらに財力を兼ね備えているならば由緒正しい家柄でなければなりません。
「由緒正しい」の言葉の使い方や使われ方
由緒は家柄や身分が立派であることを示す言葉ですが、どのように使われているのでしょうか。
例文をご紹介します。
『若者に人気のアイドル歌手は、由緒正しい家柄の子息だったことが明らかになった』
『あそこの家は由緒正しいと大袈裟に言い張っているが、いまでは見る影もない』
『この書物は由緒正しい古寺に伝わるものだから、偽物であるとは考えられない』
「由緒正しい」の類語や言いかえ
似た言葉には、「名家」「家柄が良い」「筋目の正しい」などがあり、どれも家柄がきちんとしているという意味ですから言いかえることができます。
また、「素性の知れた」「素性の正しい」という言い方がありますが、これも人々が広く認識しているほどに名の知れた家柄であることを示しています。
まとめ
ある日突然、由緒正しい人と関わり合いを持つことは稀です。
そのため、由緒正しい人と知り合うことがないまま過ごす人のほうが多いことでしょう。
それでも、日本国内には確かに由緒正しい人が存在します。
「戦国時代に活躍した名将の子孫」といった自称「由緒正しい」人や皇族のように誰もが既に認知している人も。
生まれが尊い人は、自分の出自についてあれこれ吹聴することを良しとしないので、実は身近にいる可能性も否めません。