この記事では、「厳格」と「厳重」の違いを分かりやすく説明していきます。
「厳格」とは?
規律や道徳などに厳しく、不正や怠慢などを許さないことを意味する「厳格」。
厳しく正しいことを意味する言葉です。
「厳格」の「格」には、おきてや決まりといった意味があり、格式などといった言葉に用いられる言葉です。
そのような意味から、漢字から格式に厳しい といった意味がわかります。
「厳格」を他の言葉で言い換えると、「シビア」や「厳正」、「厳密」、「厳しい」、「儼たる」、「厳たる」、「酷しい」などとなります。
また、反対の意味を持つ言葉には、「だらしない」や「しだらあい」。
「寛容」や「寛大」などがあります。
「厳格」の使い方
なにが「厳格」なのかを示す使い方として、「厳格な家庭」や「厳格な父」、「厳格な先生」、「厳格な教育」、「厳格な対応」などがあります。
「厳重」とは?
いい加減なことなどせず、厳しい態度でものごとに対処することを意味する「厳重」。
「厳重」は、厳しく重いと書きます。
それだけ、厳しく重い対応をとることが「厳重」となります。
「厳重」を他の言葉で言い換えると、「厳しい」や「シビア」、「厳密」など、「厳格」とほぼ変わりません。
「厳重」の使い方
何を「厳重」にするのかといったことを示す使い方として、「厳重な監視」や「厳重注意」、「厳重な掟」、「厳重な武装」、「厳重な取り締まり」などがあります。
「厳格」と「厳重」の違い
どちらも「厳しい」という漢字を用い、「厳しい」、「厳しく」といった意味を持つ「厳格」と「厳重」。
しかし、何に「厳しい」のかといった明確な違いがあります。
「厳格」の場合、規律などに厳しく、不正や怠慢などを許すことはありません。
一方、「厳重」は、いい加減なことはしない、厳しく取り扱うといった意味があり、それぞれ何に対しどのように厳しいのかといった違いがあります。
「厳格」の例文
・『厳格な家庭に育った彼は、子供の頃からわがままなど許されなかったそうです。』
・『厳密な父は、門限などにも厳しく学生時代、友達と遅くまで遊ぶこともできませんでした。』
・『厳格な両親に育てられ、大人になった今、本当に良かったと思っています。』
・『今の担任の先生は非常に厳格な先生ですが、私は好きです。』
「厳重」の例文
・『今回は厳重注意で済んで助かりましたが、「次はないと思え」と言われ、少しビビっています。』
・『非常に高価な品物なので、厳重に取り扱ってください。』
・『我が家には、必ず守らなければならない厳重な掟が1つあります。』
・『大切なペットがここから逃げないよう、厳重に見張っておいてください。』
まとめ
以上のような違いがある「厳格」と「厳重」。
全く異なった意味となるため、それぞれに適した使い方を行う必要がある言葉です。
何に対して厳しいのか。
そのことを考え使い分ける必要があります。