時間の流れをあらわす表現は、山ほどあります。
この記事では、「年月」と「歳月」の違いを分かりやすく説明していきます。
どちらがどう違うのか、その差を見極めていきましょう。
「年月」とは?
年月(ねんげつ)とは、長い時間の流れのこと。
移ろいゆく日々を、あらわした言葉です。
過去のことを、しみじみと振り返るときに用いる表現です。
年月は「年と月」と書きます。
そのため「年月」のことを「ねんげつ」ではなく「としつき」と読むこともあります。
1年の中には、1月から12月まで12個の月がはいっています。
毎年、お正月になると次の年が始まります。
1日単位で考えると時間は短く感じられますが、まとまった単位で振り返ると、長い時間に思えることもあるもの。
年月は「長い月日がおりなす悠久の時間」です。
年月の用い方としては「あの事件から、長い月日が経った」や「夢を実現するために、かなりの年月がかかった」や「年月が経ち、街の風景はだいぶ変わった」などがあります。
まとまった時間の経過をあらわすのが年月です。
「歳月」とは?
歳月(さいげつ)とは、流れゆく月や日のこと。
昨日や一昨日ではない、長い時間の移り変わりをあらわす言葉です。
歳月は「歳と月」と示します。
「歳」という漢字には、作物の実りや春夏秋冬という訳があります。
暖かくなって春がやって来て、涼しくなって稲刈りの季節がやって来る。
冬が終われば、また暖かい春が訪れます。
そうした「春夏秋冬の移ろい」をあらわしたのが歳月です。
歳月の例文としては「若々しい彼女は、歳月の流れを感じさせない」や「10年の歳月をかけて、新商品のカップラーメンを開発した」などがあります。
刻々と過ぎ去る、月日の流れをあらわすのが歳月です。
「年月」と「歳月」の違い
どちらも同じような意味があるので、区別がしにくいです。
「年月」と「歳月」の違いを、分かりやすく解説します。
・情緒があるのは「歳月」
どちらも「長い年と月」をあらわすフレーズです。
2つとも同じような意味がありますが、よりセンチメンタルで情緒的なのは歳月。
大人っぽい表現が歳月で、普段使いしやすいのは年月です。
その理由は「歳月」は日本最古の漢詩集にも登場するくらい、歴史のある言葉だからです。
また「歳月」には、いくつかの慣用句もあります。
「歳月人を待たず」というのは、時間は人の都合を決して待っていてはくれないという戒めのこと。
また「歳月を経る」だと、非常に長い時間が過ぎ去るありさまです。
感慨深い言葉を選びたいなら「歳月」。
分かりやすさを強調したいなら「年月」がおすすめです。
まとめ
「年月」と「歳月」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも悠久の時をあらわす言葉です。
「年月」は多くの月日が流れ去ること。
歳月は数えきれないくらい長い時間が経過することです。
どちらも同じような訳がありますが、より歴史ある言葉は「歳月」。
歳月人を待たずは、時は金なりと同じく、時間の大切さを教えてくれる格言です。