この記事では、「沸く」と「湧く」の違いを分かりやすく説明していきます。
「沸く」とは?
「沸く」には5つの意味があります。
1つめは、液体が熱せられて沸騰をすることです。
この液体とは、水を指す場合が多いです。
やかんに水を入れて火にかけてしばらくすると、ボコボコと泡が出てきます。
この状態が「沸く」です。
泡がボコボコしていない状態、つまり適当な温度になった状態も「沸く」といいます。
2つめは、感情が高ぶるです。
スポーツの試合でこのような状態が見られることが少なくありません。
プロ野球の試合でホームランを打つと、ファンの感情が高ぶり、大きな声があげられます。
このときの状態を「球場が沸く」「歓喜に沸く」などといいます。
3つめは、発酵をして泡が立つです。
発酵とは、微生物が有機物を分解をして、特定の物質ができる現象をいいます。
微生物によって作り出された物質によって泡が立つことがあります。
4つめは、水が激しくさかまいて流れるです。
5つめは金属が熱せされて溶けるです。
金や銀など身近にある金属は沸点が高いため、一般家庭でこのような現象が見られることはほぼありません。
「沸く」の使い方
水などの液体が沸騰することや適当な温度になることを指したり、感情が高ぶることを指したりして使うことが多いです。
「湧く」とは?
「湧く」には5つの意味があります。
1つめは水などが地中から噴き出すことです。
家庭用排水などでなければ、川を流れる水はどこかから出てきて、そして流れています。
その水が出てきているところが「湧く」ところです。
石油や温泉などについてもいいます。
2つめは涙や汗などが出るです。
人間の体の穴から水分が出ることを主に指しています。
3つめは虫などが一時的に発生するです。
継続的に虫などが現れることではなく、一時的に発生することをいいます。
実際には何もないところから突然虫が発生しているのではなく、卵があったり、どこかから入ってきたりしています。
4つめは、ある感情や考えが出るです。
「疑問が湧く」などのいい方をします。
5つめは物事が次々と起こる、ある事柄が急に現れるです。
夏になると、雲がもくもくと次から次へと出てくることがあります。
この様子を「雲が湧く」といいます。
「湧く」の使い方
あるところから一時的に発生をしたり、次つぎに出てきたりするさまを指して使用をします。
「沸く」と「湧く」の違い
読み方が「わく」で同じですが、意味は異なります。
「沸く」は水などの液体や感情などが熱くなることをいいます。
「湧く」は水、虫、感情などが出てくることをいいます。
「沸く」の例文
・『お湯が沸く』
・『喜びで会場が沸く』
・『水が沸くまでしばらく待つ』
・『ゴールを決めて歓声が沸く』
「湧く」の例文
・『温泉が湧く』
・『勇気が湧く』
・『虫が湧く』
・『関心が湧く』
まとめ
2つの言葉は読みが同じですが意味は異なります。