この記事では、「諦めない」と「しつこい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「諦めない」とは?
「諦めない」【あきらめない】とは、くじけずにやり通すこと、信念を持ち続けることです。
「諦めない」は、動詞「諦める」の未然形に打ち消しの助動詞「ない」を付けることで「諦める」の意味を否定している言葉です。
「諦める」は、現在取り組んでいる物事や未来の予定を断念すること、仕方なく手放すことを意味し、「諦めない」はそれらの意味を打ち消す形になっています。
具体的に「諦めない」とは、夢や目標を持って何かを達成させようとしている人が、途中で困難にぶつかったとき、くじけずに最後までやり遂げる気持ちや行動を表しています。
類語は「くじけない」「屈しない」「投げ出さない」などです。
「くじけない」は困難が起きても気力や体力をなくさないことを指し、「諦めない」とはほぼ同じ使い方がされています。
「屈しない」は服従しないことを指し、「諦めない」と同様に逆境にあっても負けないことを表します。
「投げ出さない」は責任を持って成し遂げるという意味を持つところが「諦めない」に通じています。
共に、強い信念や責任感を表す前向きな言葉です。
「諦めない」の例文
・『いくつになっても夢を諦めないことが大切だ』
・『何度もフラれたが諦めないでアタックし続けたおかげで、恋人に進展することができた』
「しつこい」とは?
「しつこい」とは、わずらわしくなるほどつきまとうこと、または味や匂いなどがくど過ぎることです。
主に、物事に粘着する性格や言動を形容するときに使われる言葉で、我を押し通すことを意味する「執拗」を宛て「執拗い」と表記することもあります。
言葉の語源については諸説があり、とらわれることを意味する「執」【しつ】と、度合いが強いことを意味する「濃い」【こい】を組みあわせて「執濃い」「しつこい」と言い表すようになった、との説がよく知られます。
また、何かをすることを意味する「躾」【しつけ】と「濃い」を組み合わせ、振る舞いや物事のあり方が濃くてくどいことを指している、との説も聞かれます。
類語は「くどい」「ねつこい」などです。
「くどい」は味や色などが濃すぎて嫌味な感じがすること、「ねつこい」は「ねちっこい」とも言い、ネチネチとまとわり付くうっとうしい様を指します。
「しつこい」同様にあまり良い意味では使われません。
「しつこい」の例文
・『しつこいセールスの電話にうんざりする』
・『そのコーディネイトは派手な色を使い過ぎて、しつこい感じがするね』
「諦めない」と「しつこい」の違い
「諦めない」と「しつこい」の違いを、分かりやすく解説します。
「諦めない」はくじけずにやり遂げることを表すポジティブな言葉です。
「しつこい」は主に物事に粘着する性格やくどい様子を表しており、ネガティブな意味で使われることが多くなっています。
「諦めない」ことは何かを達成することにつながりますが「しつこい」は人に嫌われる要素になりかねません。
「諦めない」と「しつこい」は、何かに強くこだわるニュアンスが似ていますが、意味ははっきりした違いがあります。
まとめ
「諦めない」と「しつこい」はどちらもこだわりの強さを表す言葉ですが、意味や使われる場面は異なります。
「しつこい」は、主に性格や言動を形容するときに使われますが、味や色などのくどさを表す使い方があることも覚えておきましょう。