この記事では、「退出」と「退場」の違いを分かりやすく説明していきます。
「退出」とは?
 今までいた場所から去ることです。
 特に公の場や貴人などの前から去ることをいいます。
 皇族の方に一般の人が会うことは滅多にありませんが、記者会見を開いた際には、記者たちが皇族の方に会うことができます。
 記者会見は、そのための部屋で行われます。
 テレビで記者会見の様子が伝えられますが、毎回同じような部屋で行われていることがわかるでしょう。
 つまり、記者たちは部屋に入って会見の様子を記録しているのです。
 会見が終わったら、その場から立ち去ります。
 貴人とは、上品な人や貴族のことです。
 皇族の方は貴人にあてはまるので、その人たちの前から立ち去ることは「退出」といいます。
「退出」の使い方
 今までいた場から去ることを指して使用します。
 特に公の場から去ること、貴人の前から去ることに使用されます。
「退場」とは?
「退場」には2つの意味があります。
 一つは、会場や競技場など広い場所から立ち去ることです。
 サッカーの試合でレッドカードを出されてしまうと、カードを出された選手は競技場から立ち去らなければなりません。
 このことを「退場」といいます。
 卒業式の最後には、卒業生たちがその場から出ていきます。
 これも「退場」といいます。
 卒業式は体育館や講堂などの会場で行われます。
 会場から出ているので「退場」なのです。
 もう一つの意味は、俳優などが舞台から退くことです。
 舞台で演技が終わり、幕が閉じた後には、俳優たちは幕の後ろに行ってしまいます。
 つまり、舞台から引き下がる、「退場」をするのです。
「退場」の使い方
 その場から立ち去るという意味で使用をします。
 特に会場や競技場など広い場所から立ち去ることに使用されます。
 自宅の部屋など広くない場所から去ることには、ほとんど使用しません。
「退出」と「退場」の違い
 今までいた場所から立ち去るという意味が同じ2つの言葉ですが、それぞれの言葉が指している場所が違います。
 前者が意味している立ち去る場所は、公の場や貴人の前などです。
 後者が意味している立ち去る場所は、会場や競技場など広い場所です。
 また、俳優などが舞台から引き下がることもいいます。
 どちらの言葉にも、何人が立ち去るのかという意味は含まれていません。
 たとえば、サッカーの試合で違反をした選手が出ていく場合は、出て行くものは1人です。
「退出」の例文
 ・『退出を願います』
 ・『記者たちが退出する』
 ・『全員が退出する』
 ・『○○氏が部屋から退出した』
「退場」の例文
 ・『退場を余儀なくされた』
 ・『退場願いに従う』
 ・『3分以内に退場してください』
 ・『退場する際に大きな拍手があった』
まとめ
 ある場所から立ち去ることを意味している2つの言葉ですが、その場所がどのようなところなのかという点に違いがあります。
 公の場には「退出」、会場など広い場所には「退場」が使用されます。


