この記事では、「横領」と「流用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「横領」とは?
横領とは、おうりょうという読み方をすべき言葉です。
漢字で表記されたこの言葉を目にすれば理解出来ますが、欲しいままとか勝手気ままといった意味がある横の漢字に、自分の物として所有するといった意味の領の漢字を付け足す事で生まれた言葉となっています。
だからこそ横領は、他人の物や公共の物を不法に自分の物にする事を意味しているのです。
「横領」の使い方
横領とは、他人や公共の物を身勝手に自分の物にする行為を表す言葉として使われています。
特にお金が絡む事が多く、不法に自分の物にしてしまう行為であるため、この横領は犯罪行為と見なされる事が多いです。
ただし横領の罪は本人のモラルは勿論、その行為が可能になる様な組織の管理体制も問題視される事が多かったりします。
なので組織もイメージダウンする事も少なくないため、この横領という言葉はかなりネガティブな意味合いを含んだ言葉として使用されているのです。
「流用」とは?
流用とは、りゅうようという読み方をする言葉となっています。
文字で書かれたこの言葉を見れば明らかですが、脇へそれるとか水のながれといった意味を持つ流の字に、使うとかもちいるといった意味を有する用の字を加える事で成立している言葉です。
そのため流用は、決まっている使途を外れて別の事に用いるという意味を表します。
「流用」の使い方
流用は、予め決まっていた使い道とは違う使い方をする際に、用いられる言葉です。
流用と言うと金銭が絡む事も多いため、この言葉自体にネガティブなイメージを持つ人も少なくありません。
ですが流用自体が悪い意味を持っている訳ではなく、シンプルに他の用途に用いるという意味合いを表しているだけです。
ただし許可を取らずに他者の物を自分の物の様に扱う事も、流用という言葉で表す事があるので、必ずしもネガティブではありませんが、犯罪の様なネガティブな意味も表す事が出来ます。
「横領」と「流用」の違い
横領と流用は使われている文字も読み方も、全然違っている言葉同士です。
ただし意味合いに少し似通っている部分があるので、使い分けの際に迷ってしまう人もいます。
もっとも横領は、他者や公共のお金等を違法に自分の物にするという犯罪行為を表す言葉です。
一方の流用は、決まっている用途と別の使い方をする際に、用いるべき言葉となっています。
なので必ずしも犯罪行為を示す訳ではない点は、横領とは違う所です。
「横領」の例文
・『横領は窃盗と同じ紛れもない犯罪行為です』
・『彼は過去に、業務上横領罪で逮捕されています』
「流用」の例文
・『教授の論文は明らかに私の論文を流用していますが、引用の注記がありません』
・『うちの会社の経理はかなりいい加減なので、当たり前の様に予算の流用が行われています』
まとめ
2つの言葉を見比べても使用されている漢字は全然違うので、特に似ているとは思えません。
ですが共にお金に絡んで使われる事が多いので、意味がごっちゃになってしまう人もいます。
ですが横領は、他人や公共の金銭や物を不法に自分の物にするといった犯罪行為を表す言葉です。
対する流用は、予め決まっていた用途とは違う使い方をするという意味合いを表す言葉で、必ずしも犯罪行為を表す訳ではなかったりします。