日本は本格的な超高齢社会を迎えていますが、お年寄りを表現する言葉として身近なものは何でしょうか。
ニュースや新聞でよく使われるのが「高齢」と「年配」です。
しかし、この二つの言葉の意味や使い分けを、正しく説明できる人はあまりいないかもしれません。
この記事では、「高齢」と「年配」の違いを分かりやすく説明していきます。
「高齢」とは?
「こうれい」と読みます。
年老いていること、老年であること、年をとっていることをいいます。
年齢が高いことです。
似た言葉に高年、老年、老齢などがあります。
「高齢」の使い方
「高齢」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『「高齢」化社会とは、国民の総人口に占める高齢者の比率が増大しつつある社会のことをいいます』
・『このスペースは「高齢」者専用ですので、それ以外の方はご利用をご遠慮ください』
・『車に貼り付ける「高齢」者マークが、もっと普及するとよいと思います』
「年配」とは?
「ねんぱい」と読みます。
年齢のほどや、年の頃のことをいいます。
およその年齢です。
また二つ目の意味として、世間なれした年ごろ、中年以上の年ごろの人を表すときもあります。
最後に三つ目の意味として、年齢が上であることや、年上であることを示します。
「年配」の使い方
「年配」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『そのイベントでは、同じ「年配」の人がたくさん参加していました』
・『お店に行くと、わりと「年配」の女性が丁寧に対応してくれました』
・『彼は私よりいくつか「年配」で、いろいろ面倒をみてくれました』
「高齢」と「年配」の違い
それでは「高齢」と「年配」の違いを、改めて整理してみましょう。
いずれも「年上の人」という意味を持つ点は同じです。
しかし「高齢」が、老齢の人(老人)を意味するのに比べて、「年配」は必ずしも「お年寄り」をさすとは限りません。
自分より「年上」であったり、「落ち着いた中年以降の人」を意味したりする場合もあります。
使い分けるときは、対象となる方が何歳くらいなのか、また何歳くらいに見えるかなどを考えましょう。
高齢者を何歳以上とするかは、もちろん決まりはありませんが、法令や行政において定まっている場合もあります。
例えば医療制度では65歳以上75歳未満を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者としています。
一般的には60代以上の方を「高齢」者と表現することが多いようです。
それより若い方は「年配」を使った方が無難でしょう。
まとめ
この記事では「高齢」と「年配」の違いをみてきました。
どちらも「年上の人」に使われる大切な言葉ですが、「高齢」は「老齢のお年寄り」のみを意味し、「年配」は「自分より年上である人や、ベテランの風格がある中年以降の人」にも使います。
年齢に関する表現は、ときにセンシティブで、デリケートな意味をもちます。
意味や違いを正しく理解して、正しく使うようにしましょう。