物知りを伝える言い回しには、色々なものがあります。
この記事では、「通暁」と「精通」の違いを分かりやすく説明していきます。
「通暁」とは?
通暁(つうぎょう)とは細部にわたるまで、とても詳しく知っていること。
洗いざらいに理解していることです。
また「夜を徹して」という意味でも使われます。
通暁の「暁」はとても難しい漢字ですが、平仮名になおすと「あかつき」のこと。
あかつきとは、だんだんと太陽が昇ってくる空のこと。
太陽が顔を出すと、それまで暗かった空が明るくなります。
「暁」には見えなかった物がクリアに見えるようになる、希望の意味合いがこめられています。
「通」にも「道がひらける」というニュアンスがあるので「通暁」で詳しく知るという訳につながります。
使い方としては「彼はヨーロッパ文化に通暁している第一人者だ」や「政界に通暁している人物に、独占取材をおこなった」などがあります。
自分のことではなく、第三者について述べる場合が多いです。
「精通」とは?
精通(せいつう)とは、ある問題についてとても詳しく理解していること。
とても細やかな部分まで、詳細に知っていることです。
「精通」の「精」には、しらべるという意味も含まれています。
「通」には貫き通すというニュアンスも入っています。
そのため「精通」で、粘り強く物事を調べる、あきらめずに細部にわたって研究するという意味合いになります。
具体的な使い方としては「インターネットに精通している人材が欲しい」や「感染症に精通しているドクターが、診察をおこなった」や「博学な彼は、考古学に精通している」などがあります。
特定の分野のスペシャリストであるとき、精通という言葉がつかわれます。
「通暁」と「精通」の違い
どちらも深く理解しているという意味があります。
「通暁」と「精通」の違いを、分かりやすく解説します。
・通暁はレアな言い回し
「通暁」と「精通」はどちらにも、細かい部分までよく知っているという訳があります。
使い分けの判断に悩んでしまうこともありますが、使用頻度が多いのは「精通」。
ごく一部の場でしか見かけないのが「通暁」です。
そのためどちらを使おうか迷ったら「精通」の方が、無難にまとまります。
・通暁暢達という四字熟語がある
また通暁をつかったことわざに「通暁暢達(つうぎょうちょうたつ)」があります。
通暁暢達とは、自然でゆとりのある様子。
言葉や文字がのびのびしていて、明るく見えることです。
たっぷり勉強しているので不安がなく、心に余裕がある状態です。
理想的な姿といえます。
まとめ
「通暁」と「精通」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも熟知していること。
海のように、深い知識をもっていることです。
同じような意味合いで使えますが、広く世の中に浸透しているのは「精通」です。
「通暁」は「通暁暢達」という四字熟語にある通り、教養があって余裕があるというニュアンスも含んでいます。
小さな差を知って、言葉の奥深さをかみしめていきましょう。