「静謐」とは?
静謐は、かなり硬い表現になる言葉です。
よって、そう見掛けることはありませんが、覚えておいて損はないい言葉です。
「せいひつ」と読み、堅い文体の小説の中などでは度々使われる言葉です。
「謐」の字は難しいですが、「せいひつ」の漢字変換でそのまま出てくるので、実際に表記する訳ではなければ、読み方だけ知っておけばいいでしょう。
「静謐」の意味を詳しく解説
静謐は、「とても静まり返った様子」を指して使う言葉です。
場所や光景に対して使うことがほとんどになりますが、人物に対して使えなくもありません。
「静謐な人」と言えば、温厚で、いつも物静かな人のことを表します。
また、時代や世情にも使うことができ、比較的大きな出来事がなかった時代を「静謐な時代だった」と表現できます。
「静謐」は英語では?使い方も同じ?
静謐は英語では“serene”と表現します。
この“serene”は「何の憂いのない」、「落ち着いている」という意味で、「静謐」とよく似た意味の英単語です。
「物静かの人」を表現したい場合、“serene person”と使えばその意味になります。
このように、人物に対して使うこともできるところも「静謐」と同様です。
「静謐」の類義語
静謐と同じく、「静まり返った様子」が表現できる他の言葉を挙げていきます。
難しい表現も多いですが、読み方を見れば意味が分かるものもあるでしょう。
「寧静」(ねいせい)
「静謐」とほとんど同じ意味で、場所や光景、そして、人物に対しても使える言葉です。
「静謐」より使われる機会は少ないのですが、こちらも合わせて覚えておくといいでしょう。
「長閑」(のどか)
この「のどか」という言葉は、誰でも聞いたことがあるでしょうが、漢字ではこのように表記します。
ご存知のように、穏やかな様子に対して使う言葉で、時間に対して使うこともできますが、人物にそのまま使うことはあまりありません。
使うのであれば、「長閑な口調の人」などと、その人の特徴に対して使います。
「平穏」(へいおん)
「静謐」を簡単に表現した言葉だと言っていいでしょう。
この言葉が使える対象も「静謐」とほとんど変わることはないので、なるべく難しい言葉を使いたくない場合には、この言葉で表現する方がいいでしょう。
「静謐」の言葉の使い方
静謐は、全体的に堅い文章の中でないと、この言葉だけが浮いてしまうので、使い方が難しいと言えるでしょう。
年配の人の中には、好んで使う人も居ますが、若い人はまず自分からは使わない言葉です。
「静謐」を使った例文と解釈
静謐を使う例文は、やはり堅いものとなってしまいます。
その為、使う際の参考になったとしても、実際にこのような文体を書くことはないかも知れません。
「静謐」の例文1
「とても静謐な境内だったので、静かにお参りを済ますことができた」
境内は、神社や寺院の敷地内を指す言葉です。
そのような場所は基本的に静かなものですが、年始や七五三の時期などには結構な賑わいになることも多いです。
静かにお参りをしたければ、そのようなイベント時は避けた方が無難です。
「静謐」の例文2
「あの山の頂は、静謐な空気に包まれていた」
静謐は、このように使う言葉だと言える例文です。
「静謐」が堅い言葉なだけに、その場所を「山頂」ではなく、遭えて「山の頂」と表現しているところにも注目です。
この言葉を使うなら、前後の表現とのバランスにも注意が必要です。
「静謐」の例文3
「今の日本はとても静謐な時代だとは言えない様相を呈している」
自然災害が多い昨今、それを表現している例文になります。
やはり堅い文体になっているので、このような使い方をする為の言葉だとは言っても、実際に使える機会はそうはないかも知れません。