この記事では、「共犯」と「共謀」の違いを分かりやすく説明していきます。
「共犯」とは?
共犯は2人が協力しあって犯罪を犯すことになり、両者とも実行したことになります。
また、2人以上の場合が犯罪に参加して実行すると共犯になり、刑法上でも全員が容疑者になります。
共同共犯は2人以上が共同して犯罪を行ったことになり、成立するためには2人以上の実行者の間に役割を分担する人が必要です。
教唆犯の場合は他人に犯罪を起こすことを決意させ、なおかつ自分自身が実行する必要があります。
わが国では殺人事件において共謀に参加すると実行者とともに処罰され、教唆犯などは共同共犯として認められることになります。
殺人事件では共犯者が容疑者としてまっ先に報道されますが、捜査を進めていくと関係者の名前が浮上します。
共犯者は逮捕されるとほかに関係者がいないか聞き取り調査が行われ、その際に事件の背景や共謀者が浮上する傾向が強いです。
「共謀」とは?
二人以上が悪事を企むことを意味し、実行者にならなくても計画したものとして処罰を受けます。
殺人事件などは複数の関係者が事前に計画し、その中の1人が実行することもあります。
この場合は複数の関係者が事前に計画した行為が共謀になり、犯罪の実行犯も含まれます。
共謀者の中には実行犯以外に指示や計画をした人物も含まれ、全員が刑法に基づいて処罰されることが特徴です。
警察が殺人事件などを捜査するときは共謀者を探し出し、起きる発端になることを調べる傾向があります。
共謀は被害者に対して何らかの関係を持つ者が2人以上協力し、危害を加えるように計画を立てます。
殺人事件には組織的なものになると共謀者が多くなり、調査をするために時間がかかります。
「共犯」と「共謀」の違い
「共犯」は2人以上が犯罪に参加していることになりますが、「共謀」はその事件を計画するだけで該当します。
「共犯」は実行犯が複数いた場合になり、被害者に対して直接危害を加えることが必要です。
「共謀」は複数人で事件を計画して役割分担を決める時点で該当し、教唆者や実行しなかった物も含まれます。
事件を調査するときは共謀者を探し出すことで起きた経緯が明確になり、聞き取りなどで実行犯の裏にいる関係者を探っていきます。
「共謀」は犯行に実行せずに裏で指示したり教唆しても該当しますが、「共犯」は2人以上で被害者に対して危害を加えるところが違うポイントです。
「共犯」の例文
・『大阪のスナックでの殺人事件は山本容疑者と山田容疑者の共犯で行われた。』
・『新宿駅で会社員が襲われたが、山本容疑者と山田容疑者の共犯によるものだった。』
「共謀」の例文
・『中山組の幹部が殺害されたが、実行者の山中容疑者の背後には敵対する高山組の共犯者が多くいるようだ。』
・『大阪駅での襲撃事件は暴力団関係者による犯罪になり、山本組の組員による共謀のようである。』
まとめ
「共謀」と「共犯」の違いを見てきました。
「共謀」は犯行に実行せずに裏で指示したり教唆しても該当しますが、「共犯」は2人以上で被害者に対して危害を加えるているということです。