この記事では、「指摘」と「批判」の違いを分かりやすく説明していきます。
「指摘」とは?
大切な点や欠点、問題となる事柄を取り上げてありのまま指し示すことを指す言葉で、「間違いを指摘する」「違法であるとし指摘する」「今後国にとって重要となるとの指摘があった」などの使い方があります。
指摘は基本的には人が関わるものに対して行われるもので、野生動物に指摘ということはなく、野生動物の問題を保護機関に指摘などといった使い方になります。
指摘は評価を含んでおらず、事実を述べていることで感情が入っていないという見方があるのですが、反面指摘された側にとっては問題点を突かれたような気分になってしまう点では批判との見分けがつきにくい部分があります。
ただし指摘という場合はまくしたてるような言い方にはならないケースが一般的と言えるでしょう。
なお「指摘は当たらない」という国会答弁も多く見られましたが、これは相手の話をうまくかわす、指摘した側が間違っているといい切るテクニックなので、上司にはとても使えないものと言えます。
「批判」とは?
良い所、悪い所をはっきり見分け、評価、判定することや人の言動、行動、仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じることや裁判で判定、裁定することを指します。
誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じる批判のほうが指摘より全体的でを通してのもので感想が入るとも言えるでしょう。
批判合戦になる場合もありこの場合の批判の正当性はあまり高くならないケースも多いです。
実際にはネガティブな意味だけではないのですが、言葉の使われ方としてはネガティブな意味合いに取られることが多くなっています。
「広告に批判が殺到」「番組内容に批判が殺到」「発言に批判が殺到」というケースでは多くの場合、その対象となるものをやめさせる、訂正して謝罪させたいということになります。
「指摘」と「批判」の違い
「指摘」と「批判」の違いを、分かりやすく解説します。
指摘の例では「広告の写真が盗作であるのではと指摘があり差し替えに至った」など、明らかに問題となる事柄を取り上げてることを指すのに対し、批判の例では「広告の写真が多くの人の気分を害するのではという批判があり差し替えに至った」など、人それぞれの感情に訴えるものに対しても取り上げて批判することができます。
また、提出した論文の誤字脱字や表現のミスを表記したものは指摘、内容の思想に難があるというのは批判ということができるでしょう。
批判には感情が含まれるところが指摘との大きな違いではあるため、受け取る側は指摘と批判を混同しないようにする必要があります。
まとめ
「指摘」と「批判」は対象から事実を元に問題点を示すのが指摘、対象に受けた感情から評価を下すのが批判と言えます。
問題点の存在から批判と指摘は混乱しがちですが、誤字脱字は指摘されるもので批判の意図はありません。
ただし、信号機が点灯しないという例えでは、指摘だけでも済みますが、危険ではないかという感想が出るので批判も含まれます。