この記事では、「自叙伝」と「伝記」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自叙伝」とは?
「自叙伝」は、後世に残すことを前提に自分の記録や功績を功績を残したもの自体が書き記した書物のことを意味します。
なお、現在では、「自叙伝」は、有名になった偉人の日記のことを指し、有名になったが故、日ごろからつけていた日記が「自叙伝」と称し自身の記録を記した書物として発売され、雑誌社の資金源となるのです。
「伝記」とは?
「伝記」は第三者に伝えられ広められる書物のことで、異人が自らの功績を第3者に伝え、第三者がそれを記して書物とします。
つまり、「伝記」は、取材対象が存在して、取材対象から聞いたお話をゴーストライターが書き上げると考えればわかりやすいです。
「自叙伝」と「伝記」の違い
「自叙伝」と「伝記」の違いは、有名になったものが自ら描き上げた自分の功績を記した記録の書物であるか、第3者が有名になったものから取材という形で話を聞いて書いた記録の書物であるかです。
「自叙伝」は偉人本人が記した記録書、「伝記」はゴーストライターが書き上げたものとすれば分かりやすいでしょう。
「自叙伝」の例文
・『何故か、自分が書いた自叙伝はてんで売れない』
この例は、偉人であるテレビ取材まで受けた自分が書いた自己の記録の書物が全く売れないという例です。
なぜ売れないかですが、「自叙伝」は、必ずしも偉人で功績がある者でも興味を持たれるか持たれないかという物があるため、このケースは誰も対象の偉人の方に興味を持たなかったが故、まったく書物が売れないという結果になっています。
「伝記」の例文
・『ナイチンゲールの伝記はどうも事実と異なる気がする』
この例は、ナイチンゲールという人物の記録の書物がどうにも事実と異なるという例です。
何故、事実と異なるかですが、「伝記」はいわば、人から人へと伝わる過程で話が美化されてしまい、その人の悪いところが抜け落ちてしまうからです。
ナイチンゲールの「伝記」にはそうした部分が実はあり、例えば、癌で死にそうな人に対して、絶えろと言ってのけて痛み止めを与えず、癌の苦痛を味合わせたことと、自分の資金を一切使わず、他人のお金で病院を作り、別途寄付金はどこかに貯めていたという黒いお話が抜け落ちており、事実と異なるということを述べています。
まとめ
「自叙伝」と「伝記」の違いは、話を伝えるべきものが本人であるか、他人であるかです。
「自叙伝」は偉人である当人が話を伝えるべきとして記した書物ですが、「伝記」は偉人の話を人から人へと伝えています。
その為、美化という物が起きやすいのは両者ともに同じで、実のところお話自体に信ぴょう性があるかどうかは両方とも未知数です。
ただ「自叙伝」は、偉人本人が書いているため文章の才能は本人に由来するため、その書物が売れるかどうかは実のところ本人の文才が大きく、「伝記」の場合、ゴーストライターが面白おかしくお話を作り替えれば商品が売れるため、「伝記」の方が出版社は扱いたいということもあり得ます。