「図る」と「諮る」はどちらも「はかる」と読む言葉ですが、意味や使用する状況が異なるため注意が必要です。
双方の意味や使い方を学んで、適切に使い分けるようにしましょう。
この記事では、「図る」と「諮る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「図る」とは?
「図る」は「物事を成就するための計画や工夫をおこなうこと」という意味を持つほか、「達成すべきことをイメージする」という意味で使用されることもあります。
「図」には「計画」や「思いはかる」といった意味があることから、プランを立てて物事を実現させる際の表現に用いられています。
「諮る」とは?
「諮る」は「他の人の意見に耳を傾ける」「話し合う」「相談する」といった意味を持つ言葉です。
もともと「諮」には「目上の人が目下の人に意見を求める」という意味がありますが、「諮る」を使用する際は地位の上下は問わず、広い意味で「相談する」という意味合いで使われています。
「図る」と「諮る」の違い
「図る」と「諮る」は読み方が同じ言葉ですが、詳細な意味や使用する場面に違いがあります。
「図る」は「物事を達成するために計画を練って努力すること」を指し、「改善を図る」「便宜を図る」といった使われ方をしています。
一方、「諮る」は「他の人の意見を求める」「相談する」という意味があり、「役員会に諮る」「審議会に諮る」などの使用方法があります。
次に、「図る」と「諮る」の違いを分かりやすく解説します。
「図る」の例文
「図る」は「目標などを成就するために計画を立てたり工夫をしたりすること」を指す言葉で、ビジネスや日常生活など様々な場面で使用されています。
・『その野球選手は負傷からの再起を図るためにリハビリを頑張っている』
・『夫婦仲の改善を図るため、夫は家事分担表を自作してみた』
・『頭の中の考えをメモすることで、ワーキングメモリの効率化が図れるそうだ』
・『チームのさらなる成長を図るため、今期から新しいトレーニング方法を導入する』
「諮る」の例文
「諮る」は「他の人の意見をうかがう」「相談する」といった意味で使用される言葉です。
ただし普段の生活では使う機会が少なく、ビジネスや改まった場面で用いられる傾向があります。
なお、会議の場で「お諮りいたします」というフレーズが使われる場合がありますが、出席者に異議があるかどうかを文字通り「諮る」目的で使用されているようです。
・『その問題については理事会に諮って議論する必要がある』
・『労働環境の悪化を改善するための対策を今度の会議で諮ろうと思う』
・『来週の会議で諮る議題の要点をおおまかにまとめてくれないか』
・『他に類を見ない問題が生じたので、できるだけ早く専門家会議を開催して有識者に諮ってください』
まとめ
「図る」と「諮る」は読み方こそ同じですが、それぞれが持つ意味には大きな違いがあります。
両者の正しい意味や用法を学ぶことで、日本語についての知識もさらに深まることでしょう。
ぜひ参考にしてビジネスや学業などに役立ててください。