この記事では、「絹」と「綿」の違いを分かりやすく説明していきます。
「絹」とは?
「絹」には2つの意味があります。
ひとつは、蚕から採取できる繊維です。
蚕はチョウ目カイコガ科に属する昆虫です。
人間が世話をしないと生きていくことができず、野生のものは存在していません。
蚕はクワの葉を食べます。
人間がクワの葉を採取してエサとして与えます。
やがて蚕は繭を作ります。
繭の線維にはフィブロインとセリシンが含まれており、これらの成分によって強い糸になります。
繊維は1本の糸になっており、蚕をゆでて糸を取り出します。
「絹」のもう一つの意味は、絹糸から作られた織物です。
蚕から得た繊維はいくつかを合わせて絹糸にされます。
より合わせる糸の数は用途によって異なります。
太いものほど、何本もの糸が必要です。
この糸から織られたものが「絹」です。
「絹」には、滑らかな肌触りと光沢があります。
また、吸湿性・通気性・保温性にも優れています。
肌着やドレスなど、さまざまな用途に用いられています。
「絹」の使い方
絹糸を使った織物を指して使用することが一般的です。
「綿」とは?
「わた」「めん」と読みます。
「わた」と読んだ場合には2つの意味があります。
ひとつは、アオイ科ワタ属の植物です。
繊維作物として栽培されている植物で、日本に輸入されるものは主に中国、インド、パキスタン、アメリカなどで栽培されたものです。
果実は熟すと裂けて、種子に付着している白く長い毛が現れます。
この白いものを人間は利用しています。
もう一つの意味は、木綿綿、真綿、絹綿などの総称です。
織物、布団綿、中入れ綿などに用いられています。
「綿」を使用した織物は、吸湿性と保温性に優れています。
衣服、バッグ、帽子、タオルなどさまざまなものに用いられています。
「めん」と読んだときには、もめん、もめんわたを意味します。
木綿は、ワタの種子に付着している白く長い毛、木綿糸、木綿織りのことです。
「綿」の使い方
アオイ科ワタ属の植物から得られる白く長い毛や、そこから作られる木綿綿、真綿などのことを指して使用されています。
「絹」と「綿」の違い
2つの言葉が指すものは、どちらも衣服などに用いられています。
「絹」は蚕から得られる繊維です。
光沢と滑らかさがあることが特徴です。
「綿」はアオイ科ワタ属の植物から得られます。
光沢はありません。
どちらも天然のものです。
「絹」の例文
・『絹を使ったドレス』
・『絹の下着を身につける』
・『奮発して絹の洋服を購入する』
・『絹の肌触りが好きだ』
「綿」の例文
・『綿の栽培地を訪れる』
・『この衣服は綿をたくさん使っているから温かい』
・『綿100%で作られているタオル』
・『肌に触れる面には綿を使用しています』
まとめ
2つの言葉が指すものは衣服に使用されており、この点は共通していますが、何から得られるものなのかという点に違いがあります。