「辞表」と「退職願」の違いとは?分かりやすく解釈

「辞表」と「退職願」の違いとは?違い

会社を辞めるときに提出するのが「退職願」ですが、「辞表」との違いはご存知でしょうか。

言葉だけ見ると意味は同じように思えますが、実は主語の範囲に違いがあります。

この記事では、「辞表」「退職願」の違いを分かりやすく説明していきます。

「退職願」とは?

「退職願」は、退職の意思を明確にした人が、それを上司に伝える為に記す書類のことです。

書面には退職したい希望日を書きます。

上司が受け取った後、実際の退職日を話し合い決定します。

「退職願」は他の社員が居ない時に直属の上司に手渡しで渡すのが良いとされていて、大体は退職日の2週間前までに出すようになっています。

直属の上司に何も言わずに社長や人事部に「退職願」を渡すのは、後のトラブルになるので避けましょう。

「退職願」「辞表」と違って辞める人の職業や立場に決まりはありません。


「辞表」とは?

「辞表」は、会社の社長や取締役、職務執行の監査役員など会社の重要事項を決定する、雇われていない立場にある人が仕事を辞める際、提出する書類です。

また、各省庁の職員や学校の先生、警察官など、国や地方自治体で公務員として働いている人が職場を退職する際に出す書類も「辞表」と言います。

役員や公務員ではない人が会社を辞めるとき「辞表」とは書きませんが、学校の先生の離職など地方自治体の公務員の場合でも「辞表」ではなく「退職願」と書いた書類を出すことも中にはあるようです。


「退職願」と「辞表」の違い

「退職願」は辞める対象を選ばず使える言葉ですが「辞表」を出すのは公務員または雇用されていない立場の役員に限られています。

企業に属している役職のない一般の会社員は「辞表」とは書かず「退職願」と書きましょう。

また、「退職願」に関連して「退職届」がありますが、「退職届」は上司に退職の話を相談し、上司が社員の退職の意思を確認した上で提出するものです。

何も上司に伝えていない段階で急に「退職届」を提出するのはマナーに反するので、退職したい場合はまずは上司に退職の意思を伝えましょう。

「退職願」の例文

・『退職願をまた出しそびれてしまった』
退職願を出すのは緊張感のいることでしょう。

上司が何と言うか、止められるだろうか、他の会社でやっていけるだろうかなど悩むことが多く、提出を躊躇してしまいズルズル職場に残ることもあるでしょう。

・『退職願を提出したが、人手不足だからまだ待ってくれと上司に止められた』
勇気を出して辞める意思を伝えても、上司にああだこうだ言われて止められるケースも多いようです。

「辞表」の例文

・『ドラマの一場面で、主人公が辞表を机に叩きつけた』
ドラマでは、よく「辞表」と書かれた紙を提出するシーンが見られますが、役職のない社員が提出するのは本来「退職願」なのです。

・『常務取締役は経営に行き詰まりを感じ、会社に辞表を提出した』
小さい会社の場合、社長が会社から離れるには次の引き継ぎを決めて離職する場合もあるようです。

その場合は辞表を提出することはありません。

まとめ

中には、一般企業のパワハラと呼ばれる上司が「辞表を書け」と言ってくる場合もあるようですが、正しくは「退職願」ですので間違えないように覚えたいです。

ドラマでも「辞表」の紙を目にすることがある為、混同しないで使い分けしましょう。

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