海にまつわる地形は、とても複雑です。
この記事では、「入り江」と「湾」の違いを分かりやすく説明していきます。
まぎらわしい地形図を、正しくおさえていきましょう。
「入り江」とは?
入り江とは、海岸線がくぼんでいる部分のこと。
プライベートビーチのように、小さな浦ができている場所です。
入り江のことを、入り海と呼ぶこともあります。
海や川の水のパワーで海岸線が削り取られ、くぼんだ場所に水がたまって作られるのが「入り江」です。
入り組んだ地形になっているので、波もそれほど高くなく、場所によっては養殖場として利用されている所もあります。
入り江が多く見られるのは、リアス式海岸などです。
ギザギザとした複雑な地形をしているので景観が美しいものの、津波や高潮の被害に遭いやすいというデメリットもあります。
「湾」とは?
湾とは海の一部が、陸地に入り込んだ場所のこと。
東京湾や相模湾、富山湾なども「湾」の仲間です。
日本の周りには、広くて大きな湾がいっぱいあります。
湾は半島に囲まれた、くぼみの部分にあたります。
川から流れてきた水が最初に貯まる、大きな湖のような場所です。
外海とくらべて波がおだやかなので、港が作られ多くの船やタンカーがとまっています。
水産業や貿易業において、とても大切なスポットです。
おだやかな海を楽しめる湾ですが、場所によっては「水はけが悪い」という注意点もあります。
また台風が訪れると、付近の住宅に「高潮による被害が出やすい」という懸念もみられます。
「入り江」と「湾」の違い
どちらも日本でよく見る地形です。
「入り江」と「湾」の違いを、分かりやすく解説します。
・小さなものは入り江、大きなものは湾
「入り江」と「湾」は写真で見ると、とてもよく似ているので紛らわしいです。
簡単に説明するなら、より小さなくぼみが「入り江」。
入り江より大きなくぼみが「湾」になります。
入り江は個人のお客さんが海水浴や釣りを楽しむ、小さなサイズの浦です。
静かで落ちついた雰囲気のある、プライベートビーチのような場所です。
地域によっては波のおだやかな入り江で、牡蠣や真珠などの養殖もおこなわれます。
それに対する湾は、スケールが大きく広大なもの。
「東京湾」や「相模湾」というように、日本地図にも載るような立派な湾名が名付けられています。
また面積がとても大きいので、大型のタンカーや観光船が停まっていることもあります。
近くには漁港や魚市場などがあり、水産業の拠点にもなっています。
小さな入り江の波はおだやかです。
対する湾は、沖にいくほど波が荒れる特徴があります。
コンパクトな地形が入り江。
よりダイナミックな地形が湾です。
まとめ
「入り江」と「湾」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも日本の海で、よく見る地形です。
入り江はリアス式海岸のひとつで、入り組んだ海岸線のこと。
くぼんだ浦です。
そして湾は東京湾のような、広い海のくぼみを指します。
違いを知って、地形を正しく学んでいきましょう。