この記事では、「緊張」と「不安」の違いを分かりやすく説明していきます。
「緊張」とは?
心や体が引き締まることを意味する「緊張」。
慣れないことなどに直面し心が張り詰めて体が硬くなる様子を意味する言葉です。
そのほか、お互いの関係が悪くなり争いが起こりそうな状態や心理学において、ある行動への準備やこれから起こることに対し待ち受ける心の状態も意味します。
このように「緊張」は、一般的に慣れないこと、初めて行うことなどに対し心が引き締まり、体が硬くなることを意味し、類語には、「緊迫」や「切迫」、「張る」、「引き締める」などがあります。
また、対義語は、ゆるむこと、たるむこと、を意味する「弛緩」です。
「緊張」の使い方
「緊張」は、「緊張する」や「緊張した」、「緊張が高まる」、「緊張をほぐす」、「緊張をとく」などといった使い方のほか、「緊張した顔」や「緊張感」、「緊張した空気」、「緊張緩和」などといった言葉もあります。
「不安」とは?
心配な様子を意味する「不安」。
何か気がかりなことがあり落ち着かないことを意味する言葉です。
心を悩ますような何かがあり、それに対し悪いことが起きるのではないかと気になって仕方がないことを「不安」と言います。
類語には、「悩み事」や「懸念」、「気苦労」、「胸騒ぎ」、「気遣わしい」などがあり、対義語は「安心」です。
「不安」の使い方
「不安」の場合、「不安になる」や「不安を抱く」、「不安に襲われる」、「不安に感じる」などといった使い方のほか、「不安な毎日」や「不安感」、「漠然とした不安」などといった言葉もあります。
「緊張」と「不安」の違い
同じ場面で用いられることが多い「緊張」と「不安」。
入試や大舞台などの際に「緊張する」、「不安になる」などといった形で用いられますが、そのニュアンスは少し異なります。
「緊張」の場合、心だけではなく体も硬くなることを意味し、心と体全体で張りつめている状態を意味します。
一方、「不安」は、安定の対義語になることからもわかるように心が安定していないことを意味し、あくまでも、心に対する場合を意味する言葉となります。
このような違いが「緊張」と「不安」にはあります。
「緊張」の例文
・『結局、本番で緊張してしまい、いつも通りの力を発揮することができなかった。』
・『舞台で緊張のあまり、セリフを飛ばしてしまいました。』
・『彼は緊張すると、ものすごく早口になります。』
・『あまりにも緊張し、口の中がカラカラです。』
「不安」の例文
・『離婚し、これからの生活に不安を抱く。』
・『私は、あなたの将来が不安で仕方ありません。』
・『夫が失業し、経済的な不安で押しつぶされそうです。』
・『彼の話を聞き、とても不安になりました。』
まとめ
人は「緊張」したり「不安」になったりするものです。
同じ場面でも用いられることが多い言葉ですが、その意味のニュアンスには違いがあるため使い分けには注意が必要です。