この記事では、「離脱」と「脱落」の違いを分かりやすく説明していきます。
「離脱」とは?
「離脱」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「離脱」は「りだつ」と読みます。
「離脱」には「ある状態から抜け出すこと。
組織などから離れること」という意味があります。
例えば、戦争に参加している兵士が怪我をして、戦闘不能になった時、「戦線離脱する」ことがあります。
この場合は「戦闘が行われている第一線から、兵士が抜け出すこと」を意味します。
また、イギリスがヨーロッパ共同体から、抜け出したというニュースは、「イギリスがユーロから離脱した」と伝えられました。
スポーツの世界では、試合中などにけがをして、プレーができなくなった選手に対して、「○○選手が、怪我により試合から離脱を余儀なくされました」などとアナウンスすることがあります。
さらに、アルコール依存症の患者が、中毒状態から抜け出すときに様々な副作用が起こることを、「アルコール依存からの離脱症状」などと呼びます。
「脱落」とは?
「脱落」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「脱落」は「だつらく」と読みます。
「脱落」には「抜け落ちること」という意味があります。
特に必要な記述が抜け落ちるとき、「書類にいくつかの脱落が見られる」などと言います。
また「脱落」には「集団や仲間についていけなくなること」という意味があります。
例えば、マラソンレースの後半になると、先頭集団から選手が一人ずつ、零れ落ちていきます。
このような様子を「先頭集団から、選手が脱落していきます」などと言います。
また「脱落」は、ビジネスシーンで使うこともあります。
同期社員が出世争いを繰り広げている中、限界を感じて、出世を諦める人が出てきます。
このようなとき、「Aは出世争いから、完全に脱落したな」などと噂されることになります。
「離脱」と「脱落」の違い
「離脱」と「脱落」の違いを、分かりやすく解説します。
「離脱」には「ある状態から抜け出すこと。
組織などから離れること」という意味があります。
一方「脱落」には「集団や仲間についていけなくなること」という意味があります。
どちらも、集団などから離れる意味がありますが、「離脱」は「仕方なく、自分の意志で離れる」という意味があるのに対して、「脱落」の場合は、「力不足などによって離れざるを得ない」というような意味が強くなります。
例えば、「トップ戦線から離脱する」と、「トップ戦線から脱落する」という2つの言葉を比較した場合、「離脱すること」が非難されることは少ないのですが、「脱落すること」は非難されたり、陰口をたたかれる場面が多くなりそうです。
「離脱」よりも「脱落」のほうが、ややネガティブな印象があると言えるのではないでしょうか。
まとめ
「離脱」と「脱落」の違いについて見てきました。
2つの言葉の違いを知り、言い分けられるようにしておきましょう。