この記事では、「プロトタイプ」と「試作品」の違いを分かりやすく説明していきます。
「プロトタイプ」とは?
「プロトタイプ」には2つの意味があります。
ひとつは、原型、手本です。
原型とはもとの型のこと、彫刻や鋳物などのもとになる型のことです。
手本には見習うべき物事という意味があります。
もう一つの意味は、製品などの試作したモデルのことです。
製品を大量生産する前の段階で、このモデルが作られます。
このモデルを作ることで、製品や製造工程の問題点を確認することができます。
大量生産してから問題点が見つかると、多くの製品を無駄にしてしまうことになります。
企業にとっては大きな損失です。
しかし、大量生産する前の段階で不具合などを見つけ出すことができれば、大きな損失を防ぐことができます。
また、この段階で修正することも可能です。
たとえば鉄道車両の場合だと、一般的に使われるようになる前、量産される前に「プロトタイプ」が作られます。
そして、実際に試験や運転をしてみます。
この試験や運転の結果、量産されたり、されなかったりします。
「プロトタイプ」の使い方
製品などの試作したモデルを指して使用することが多いです。
製品に対して使用をし、製品でないものには使用しません。
「試作品」とは?
試しに作ったもののことです。
本作を作る前にこのものが作られます。
ある喫茶店が新作ドリンクを販売しようと考えたとします。
新しいメニューを考えるために、何度も試しに作ってみました。
たとえば、新しいミルクティーを作ろうと考えたときに、紅茶とミルクの割合を変えて試しに作ったもの、紅茶の銘柄を変えて試しに作ってみたものなどのことを指します。
こうして何度も作った結果、新作ドリンクが完成しました。
完成した新作ドリンクが本作で、その前に作っていたものが「試作品」です。
「試作品」の使い方
試しに作ったものを指して使用する言葉です。
食べもの、飲み物、食器、化粧品など、さまざまなものについて使うことができます。
「プロトタイプ」と「試作品」の違い
2つの言葉が指すものは、本作ではないという点が似ていますが、やや意味合いが異なります。
前者の言葉が指すものは、製品などの試作モデルのことで、今後これが一定の基準となることを目的に作られたものです。
後者の言葉が指すものは、本作の前に作られる、試しに作ったもののことです。
作られるものは1つだけとは限られず、2つ、3つ、あるいはそれ以上作られることがあります。
「プロトタイプ」の例文
・『プロトタイプを作る』
・『プロトタイプをお披露目する』
・『プロトタイプ車両を運転する』
・『プロトタイプを展示する』
「試作品」の例文
・『試作品を完成させた』
・『試作品を味見してみる』
・『この試作品は納得できない』
・『試作品完成から販売間で1年かかった』
まとめ
本作の前に作られるものという点が似ている2つの言葉ですが、意味合いが異なります。