この記事では、「優性」と「優生」の違いを分かりやすく説明していきます。
「優性」とは?
優性とは、ゆうせいという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば分かる事ですが、すぐれているとかやさしいといった意味を持つ優の文字に、物事に備わった性質や生まれつき等の意味の性の文字を組み合わせる事で成立している言葉となっています。
だからこそ優性は、対立形質を持つ両親を交配した際に、第一代に出現する形質の事を表すのです。
「優性」の使い方
優性とは、遺伝に関する現象を表す際に使われる言葉となっています。
具体的には異なる形質の遺伝子を持つ両親が交配した時に、出現してしまう形質の遺伝子の事を表す言葉として使用されているのです。
逆に交配の際に隠れてしまう遺伝子の方を、劣性と呼んでこの優性という言葉に対比する形で用いられています。
もっともこの優性は、遺伝に関連した用語であるため、日常的な会話等で頻繁に登場する事はなく、多くの人にとって余り馴染みのない言葉です。
「優生」とは?
優生とは、ゆうせいという読み方をする言葉となっています。
文字で記されたこの言葉を目にすれば直ぐに理解出来ますが、すぐれるさまやたくみなさま等の意味を有している優の文字に、いきるとかうまれるといった意味の生の文字を加える事で誕生した言葉です。
そのため優生は、良い遺伝形質を保とうとする事を表します。
「優生」の使い方
優生は、良質の遺伝形質を維持しようとする事を表す言葉として、使用されているのです。
もっと詳しく説明すると、出来るだけ優秀な子孫を残すべく良い遺伝だけを残そうとする試み等に対して、優生という言葉が用いられる事が多くなっています。
この様に遺伝子操作を駆使する等して、とにかく優秀な遺伝子だけを残そうとする思想をこの言葉を用いて、優生思想と呼んでいるのです。
「優性」と「優生」の違い
優性と優生は文字表記を見比べれば、2文字目に性と生という使用されている漢字の違いを見付け出す事が出来ます。
ですがどちらも同じく、ゆうせいという読み方をしてしかも遺伝に関連して用いられる言葉同士なので混同してしまう可能性がある言葉同士です。
もっとも優性は、対立する遺伝子を持つ両親が交配したケースで、雑種第一代に現れる遺伝形質の事を示す言葉となっています。
一方の優生は優れた遺伝形質を保とうとする事を意味する言葉です。
「優性」の例文
・『対立形質を有する両親が交配した際に、形質を発現する遺伝子の事を優性遺伝子と呼びます』
「優生」の例文
・『ナチス・ドイツは優生思想に基づいて、様々な危険な政策を行いました』
まとめ
2つの言葉は、性と生の違いはあるものの、読み方も同じゆうせいで、更にどちらも遺伝に関連した言葉として用いられています。
ただし表す意味合いは違っており、優性は対立遺伝子を持つ両親が交配した際に、次の代に現れる形質を示す言葉です。
対する優生は、良質な遺伝形質を保とうと試みる思想等を表現する言葉となっています。