この記事では、「擬制世帯主」の意味を分かりやすく説明していきます。
「擬制世帯主」とは?意味
「擬制世帯主」とは、世帯主の人が国民健康保険(以下、国保)に加入していなくても、その家族が自営業を営んでいたりして国保に加入している場合、その支払い義務について世帯主が追う事になるという事を指す言葉です。
「擬制世帯主」の概要
「擬制世帯主」は「ぎせいせたいぬし」と読みます。
「擬制」とは、法律の取り扱いについて、本質とは異なっている物について同じものとみなして、同様の効果を与えるという意味を持つ言葉です。
国保の保険料の支払い義務について誤解しやすい点として、義務を負うのは保険に加入している加入者ではありません。
保険料の支払い義務を負うのはあくまで世帯主です。
このため世帯主の子や家族が、フリーランスや自営業などの国保に加入していた場合、その保険料について支払い義務を負うのは世帯主という事になります。
当然ですが、請求金額についてはその加入者の分のみであり、実際に支払う人は世帯主であっても加入者本人であっても問題ありません。
このような状態となっている世帯を「擬制世帯」と呼びます。
この「擬制世帯」となっている場合、いくつかの要件を満たせば世帯主の変更が認められています。
「擬制世帯主」の言葉の使い方や使われ方
「擬制世帯主」の例を挙げると、世帯主の父はある会社の役員で、その会社の保険に加入しており国保には加入していませんが、その子である息子は自営業を営んでおり、国保に加入しています。
この場合、子の保険料について支払い義務があるのは子ではなく、世帯主である父となり、これを「擬制世帯主」と呼びます。
そして、このような状態になっている世帯を「擬制世帯」と呼びます。
当然、自治体から送られてくる保険料の支払い通知書などは、世帯主宛てとなっています。
しかし実際に支払いを行うのは、自営業で収入があって加入している本人である子になるわけですが、法律の便宜上支払い義務を負っているのは世帯主である父という事になります。
当然ながら「擬制世帯主」である父は、国保には加入していませんので、病気やケガで病院に掛かる際の費用については自分の加入している保険を使用する事になります。
あくまで、支払い義務を負っている世帯主の事を「擬制世帯主」と呼ぶのであって、その保険の効果が世帯主まで及ぶわけではないという事を注意する必要があります。
「擬制世帯主」を使った例文
・『擬制世帯主である私は、自営業の息子の国保を支払っている』
・『擬制世帯主とは、世帯主が国保加入者でなくとも、その家族に国保の加入者がいた場合は、支払い義務を世帯主が負うという事だ』
まとめ
「擬制世帯主」とは、世帯主が国保加入者ではなく、その家族が国保に加入していた場合その支払い義務を負う世帯主の事を指す言葉です。
「擬制」という漢字のイメージからあまりよくない意味と捉えられる事がありますが、実際の意味を知っておくことで誤解や誤用がないように注意しましょう。