規則やルールにまつわる言葉は、線引きが難しいこともあります。
この記事では、「法令」と「法律」の違いを分かりやすく説明していきます。
知識の辞書をさらに増やしていきましょう。
「法令」とは?
法令とは国が定めた法律に、規則や条例などをプラスしたもの。
「守ってくださいね」という強いメッセージが込められた規律のことです。
法令という用語は「法律」と「命令」という、2つのつよい言葉から成り立っています。
そのため法令というと、国が出した法律を指すこともあれば、内閣が出す政令や各省庁が出す省令をあらわすこともあります。
つまりカバーしている内容が、とても広いのが法令なのです。
法令のよく似た言葉に、ガイドラインや通達、ガイダンスや告示などがあります。
どれも同じように見えますが、この中で法的な拘束力がもっとも強いのが法令です。
「命令なので必ず指示に従ってください」という強いニュアンスが含まれたものになります。
「法律」とは?
法律とは豊かな生活を送れるように、国が定めたルールのことです。
「国会でこう決まったので、守ってくださいね」と国会から与えられるメッセージのようなものです。
日本で暮らしているなら、誰もが守らなければならない規律です。
法律とよく似ているものに憲法がありますが、憲法よりワンランク低い権限をあたえられているのが法律。
法律は国会で審議され問題が無い場合に、内閣が制定をおこなっていきます。
それに対して憲法は、国民の支持があつまらないと簡単に変えることはできません。
そのため力のあるものから見ていくと、まず憲法があって、その下に置かれているのが法律になります。
法律の下にあたるのが、条例や規則になります。
ちなみに法律を破ると、罰則があたえられます。
罪の度合いによっても異なりますが、数百万円の罰金刑や、10年程度の懲役刑が科せられることもあります。
違反するととても怖いのが法律です。
「法令」と「法律」の違い
どちらも法にまつわる単語ですが、定義が難しいです。
「法令」と「法律」の違いを、分かりやすく解説します。
・定義が明確なのは「法律」
法令とは法律と命令をセットにした言葉。
とても便利なので色々なニュースで話題になりますが、実はきっちりとした定義がない言葉です。
ただ法令は国が定めた法律を指すこともあれば、地方の行政機関の規約をあらわすこともあります。
つまり許容している範囲がとても広いのが「法令」です。
これに対して「法律」は、国会で審議されて内閣が実行するもの。
罰則もセットになっていることが多く、憲法の次に強い権限を持っているものになります。
まとめ
「法令」と「法律」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらもルールや条約にまつわる言葉です。
法令とは法律や条例など、国や行政の決まりごとを伝える言葉。
それに対して法律は内閣が実行する、国民が守るべきルールのことです。
どちらも似ている用語になりますが、正しい区分けを付けておくと便利です。