この記事では、「不可逆性」の意味を分かりやすく説明していきます。
「不可逆性」とは?意味
同じ状態には戻れない性質のことです。
「不可逆」とは、再びもとの状態に戻れないことです。
「性」は名詞の下について、そのものの性質や傾向を表します。
このことから、「不可逆性」とは同じ状態には戻れない性質という意味になります。
「不可逆性」の概要
物には、ある状態から別の状態になっても、またもとの状態に戻れるものと、ある状態から別の状態になってしまうと、もとの状態に戻れないものとがあります。
「不可逆性」は後者のことです。
ゆで卵のことで説明をします。
卵はタンパク質を多く含む食品です。
タンパク質は熱で変性する性質があり、熱を加えることで硬くなります。
生卵を割ると中から流動性のある物質がでてきます。
しかし、卵を加熱するとそれを割ったときには流動性のある物質はでてきません。
水は冷やせば固体になり、これを温めれば液体に戻ります。
しかし、卵の場合は固まったものを冷やしても流動性のある状態には戻りません。
卵のタンパク質には「不可逆性」があるのです。
今度はバターのことで説明をします。
バターは乳成分に含まれる乳脂肪分からできています。
脂肪分の多い乳を攪拌すると、次第に水分と乳脂肪分が分離をして、乳脂肪分の固まりができます。
この固まりがバターです。
水分+乳脂肪分から乳脂肪分だけを取り出したものなら、乳脂肪分に水分を加えればもとの乳に戻りそうです。
しかし、それはできません。
一度分離をしてしまうと、もとには戻せないのです。
生クリームを攪拌し過ぎるとバターができます。
ホイップクリームを作ろうと思ったのに、攪拌し過ぎるとバターになってしまうことがあるのです。
ホイップクリーム作りに失敗してしまうと、もとには戻せません。
この性質を「不可逆性」といいます。
「不可逆性」の言葉の使い方や使われ方
もとの状態に戻せない性質を指して使用する言葉です。
物質について使われることが多いのですが、物事にも使用されます。
たとえば、ある人や団体との関係、社会の流れなどです。
同じ物質でも、ある条件ではもとに戻ることができ、ある状態のときにはもとに戻れないことがあります。
腎臓に負担がかかって調子が悪くなっても、まだ進行が進んでいないようなら治療によってもとに戻る可能性があります。
しかし、進行してしまうと前と同じ状態には戻りません。
この場合、戻るときもあれば戻らないときもあり、ある物質の性質を「こうだ」と定められないので、「不可逆性」とはいわないことがあります。
「不可逆性」の類語や言いかえ
「前の状態にはならない性質」が似たような意味の言葉です。
AからBになった場合、Aが前の状態です。
BからAにはならないことを意味しています。
まとめ
物質によって、変化をしてももとの状態に戻ることもあれば、戻らないこともあります。
この言葉は後者を指します。
身の回りにそういったものがあります。