人を表する言葉のひとつに「面の皮が厚い」という表現があります。
本人に面と向かって使われることは少ないことですがいったいどのような意味があるのでしょうか。
今回は、「面の皮が厚い」の意味と類似表現について解説します。
「面の皮が厚い」とは?意味
「面の皮が厚い」とは、「恥じ入ることがなく厚かましい」という意味の言葉です。
「面の皮が厚い」の概要
人間は感情の動きによって顔色が変わったり表情が変化したりする生き物です。
そのような顔の変化から他人の感情や気持ちを読み取れるのですが「普通の人であれば何らかの動揺の色が出るような事態に直面しても顔色を変えることのない厚かましい精神」を指して「面の皮が厚い」と表現します。
「面の皮が厚い」と言うのは一種の比喩表現です。
本来であれば顔色や表情が変わるはずなのにそうは見えない厚かましい精神を顔の皮膚が分厚いがために変化が外見に表れないことになぞらえて表現しています。
基本的には厚かましい態度を非難するネガティブな意味合いで使われる言葉ですが、少々のことでは動じない気持ちの強さを表す言葉としてポジティブな文脈で使われることもまれにあります。
反省が足りず謙虚さにかける振る舞いを指す言葉で、一般的には「そのような行動をとれる気持ちが理解できない」というような大きな考え方のズレがある場合に用いられる表現です。
「面の皮が厚い」の言葉の使い方や使われ方
・返済が遅れているのに追加で金を借りに来るとはずいぶんと面の皮が厚い奴だ。
・お食事券で辞職しておきながら補欠選挙に立候補するとは、面の皮が厚いにも程がある。
・あれだけ厳しく注意されたのに今日もまた来るなんて面の皮が厚い客もいたもんだ。
・居候の分際で4回もおかわりするとは面の皮が厚いもんだ。
「面の皮が厚い」の類語や言いかえ
・図々しい
「自分の利益のために人の迷惑を考えず行動する様子」を意味する言葉です。
「面の皮が厚い」が全く精神的ダメージを受けていないメンタルのタフさを示す言葉であるのに対し、こちらは積極的に行動に出る厚かましさを意味しています。
・いけしゃあしゃあ
「本来ならしおらしくなっているのが当然なのに平然としている様子」を意味する言葉です。
「罪悪感や反省など責任を感じてしおらしく振る舞うのが当然の状況なのにそのような素振りを一切見せず平然と当たり前の態度で行動していること」を意味する言葉で「面の皮が厚い」とは微妙なニュアンスも含めて非常に親しい表現です。
「面の皮が厚い」が大全としていて全く揺らいでいない堂々とした態度を指すのに対し、こちらは重みがなく相手を苛だたせるような悪びれない様子を表します。
・厚顔無恥
「厚かましく恥知らずである」という意味の言葉です。
「面の皮が厚い」と同じく顔にまつわる表現で意味もほとんど同じです。
・悪びれない
「自らの行動を悪いと思っていない」という意味の言葉です。
「面の皮が厚い」と同じく自らの行動に対して責任を感じていない様子を表す言葉です。
まとめ
「面の皮が厚い」は今でも一般的に使われている表現です。
難しい意味ではありませんが微妙なニュアンスを含む言葉なので細かい意味合いに注意して使いましょう。