漢数字の「一」が二度用いられている「一進一退」。
この記事では、「一進一退」の意味を分かりやすく説明していきます。
「一進一退」とは?意味
「一」進んで「一」退くと書いて、「一進一退」。
「一進一退」には、何か状況や事態などが進んだり、退いたり、といった意味があります。
状態が良くなったり、悪くなったり、を意味する「一進一退」となるため、良い状態でも悪い状態でも用いることは可能です。
ただし、一般的には、退くこと。
つまり、悪くなる状態の際に用いることが多い言葉となります。
「一進一退」の状況は、何も改善されず停滞してしまっている状態。
このような状態が「一進一退」です。
「一進一退」の概要
一つ進んで一つ退くと書く「一進一退」。
良くなったかと思えば、その後、また悪くなってしまうといった意味から成り立つ言葉で、由来は中国の思想書「荀子」です。
その中に一説に「一進一退」が用いられ、進んだり退いたり、といった意味で文中に使用されています。
「一進一退」の言葉の使い方や使われ方
「一進一退」は、様々な場面で用いられる言葉です。
「一進一退の病状」の場合、病状が良くなったかと思えば、すぐに悪くなってしまう、といったような病状の変化を意味する際に用いられます。
このように病状には、「一進一退の繰り返し」といったような表現方法が用いられ、病状に対し改善しない、完治しない、ことを表す表現として用いられます。
このほかには、「一進一退の状況」や「一進一退の攻防戦」などいった形で用いられます。
「一進一退」の類語や言いかえ
「一進一退」に似た意味を持つ言葉はいくつかあります。
同じ漢数字を用いる言葉には、「一喜一憂」や「二転三転」があり、「一喜一憂」は、毎回、喜んだり心配するといった意味があり、「二転三転」には、物事の状態がコロコロと変わるといった意味があります。
そのほか、物事がうまく進まない状態を意味する「停滞気味」や「紆余曲折」などといった言葉も「一進一退」の類語となります。
このような四字熟語ではなく、日常的な言葉に置き換えた場合、「一進一退」は、「横ばい」や「停滞」、「行き詰まり」、「立ち往生」、「足ふみ状態」などとなります。
また、「一進一退」とは逆の意味を持つ言葉には、迷わず真っ直ぐに進むといった「猪突猛進」や「直往邁進」などがあります。
このような言葉のように一直線に進むことができないのが「一進一退」となるのです。
まとめ
以上が、「一進一退」の意味となります。
「一進一退」の場合、あまり、良い意味で用いられることは少なく、多くの場合、全く良くならない、進まない、などといった意味で用いられ、物事の状態などが良くなるよりも悪くなるほうが大きい、完治することができない、などといった意味で使用されることが多い言葉となります。
このことを踏まえ、適切に「一進一退」を使用することが必要です。