不祥事からの立て直しなどでよく使われる「綱紀粛正」とはどういった意味なのでしょうか。
今回は、「綱紀粛正」の意味と類語について解説します。
「綱紀粛正」とは?意味
「綱紀粛正」とは、「あらためて規則を徹底し組織を正しい状態に戻すこと」という意味の言葉です。
「綱紀粛正」の概要
「綱紀粛正」の「綱紀」とは「国を治めるために必要な規則」を指します。
憲法や法律など国のルールを指す言葉ですがそこから転じて「組織の規則」という意味で使われています。
社則や会則など組織を正しく運営するために必要とされるルール全般を指す言葉で、一般的には「規則によって守られるべき組織の規律」そのものを指す言葉としても使われています。
「綱紀粛正」の「粛正」には「厳しく取り締まる」という意味があります。
「甘い顔をみせることなく果断に処分を下す」のが「粛正」であり、この場合は「手を抜かず徹底的に行う」というような意味合いで使われています。
二つの言葉の意味を合わせると「組織の規則を厳しく徹底させる」という意味になります。
通常は組織の規律が緩んだときに行われものなのでそのような「緩んだ規則を厳しく取り締まり徹底させることで組織の立て直しを図る」ことを指して「綱紀粛正」といいます。
拡大解釈されていた規約を原則にそって運用するような「すでにある規則を徹底することで緩みをただしあるべき組織の姿を取り戻す」のが「綱紀粛正」であり規則そのものの新設や改正は必ずしも必要ではありません。
組織の立て直しや風紀の改善などといった目的のために規則を徹底させる行為が「綱紀粛正」です。
「綱紀粛正」の言葉の使い方や使われ方
・相次ぐ不祥事の方を受けて警察全体で綱紀粛正が図られた。
・綱紀粛正を大義名分にして違反者が次々と取り締まられていく。
・腐敗しきった組織を立て直すには厳しい綱紀粛正が不可欠である。
・綱紀粛正に不満を持つ者達がクーデターを画策しているという知らせがあった。
「綱紀粛正」の類語や言いかえ
・たがを締める
「組織や集団の引き締めを図る」という意味の言葉です。
たがとは桶や樽の木材を固定している部品のことで、外すとバラバラになってしまうたがを締めることで桶や樽の強度が保たれます。
そこから転じて「規律の徹底などの方法で組織を引き締め一つにまとめること」という意味で使われています。
・コンプライアンス
「法令を順守すること」という意味の言葉です。
近年特に企業でよく使われる言葉で、「活動が法律に沿っているものであるか確認し法に触れるような行為を排除しながら企業活動を行うこと」を指して「コンプライアンス」と読んでいます。
「綱紀粛正」で徹底される規則には社則や会則など内々のルールが含まれるのに対し、こちらは法律や条例など国や自治体が定める公の法令を守ることを意味しています。
・膿を出す
「組織の悪い部分をすべて出し切ること」を意味する言葉です。
「綱紀粛正」が手段を意味するのに対しこちらは「悪いところを全部出す」という結果を表しているという点に違いが見られますが、法令や規律を徹底した結果として悪いところが出ると考えれば意味敵意は非常に近しい言葉です。
まとめ
「綱紀粛正」はニュースなどでもよく耳にする言葉です。
そのような事態に直面した時のためにも正しい意味を知っておきましょう。