この記事では、慣用句の「泥縄を編む」の意味を分かりやすく説明していきます。
「泥縄を編む」とは?意味
「泥縄を編む」の読みは「どろなわをあむ」で「前もって準備をせず、何かの直前や事態が起こってから、ようやく取り掛かること」を意味する慣用句です。
この慣用句は、単に「泥縄」と略して言われることもあります。
「泥縄を編む」の概要
「泥縄を編む」の慣用句を分解して、少し詳しく意味を説明します。
「泥縄を編む」の「泥縄」は、文字通りの意味では「泥で作った縄」と思われますが、もちろん「泥」で「縄」作る事などできません。
この「泥縄」は「泥棒を縛るために縄」を意味しています。
また「編む」は、普通に使われている「糸・竹?・針金・髪などを、互い違いに組み合わせて、一つの形に作り上げる」意味を指す言葉です。
本来、稲わらを使って「縄」を作る事は「綯(な)う」と呼ぶのが正しいと言えます。
しかしこの「綯う」言葉は理解する人が少なく、長い髪をまとめるために三つ編みにすると言った意味で、現代風に「編む」に言い換えられたものです。
以上の事から、「泥縄を編む」とは「泥棒を縛る縄を編むこと」となりますが、そこには「泥棒を捕まえてからや、捕まえる直前に」と言った意味は見当たりません。
実は、この「泥縄を編む」は「泥棒を捕らえて縄を編む(綯う)」を省略した言葉なのです。
すなわち「泥棒を捕まえる前に用意しておくべき縄を、捕まえてからようやく編み始める」ことを意味しています。
そこから転じて、「泥縄を編む」は「前もって準備をせず、何かの直前や事態が起こってから、ようやく取り掛かること」を意味する慣用句となったのです。
また、この「泥縄」のように、行為を表現する文章やことわざを、省略して名詞のように使うことは、会話を円滑にするために、しばしば行われることです。
例えば「藪を突いて蛇を出す」を「藪蛇」としたり、「棚からぼたもち」を「棚ぼた」と略して表現するのがこれに当たります。
「泥縄を編む」の言葉の使い方や使われ方
「泥縄を編む」の慣用句は、以下の例文のように使われます。
・『コロナの影響で、イベントの準備が普段通りに行えず、泥縄を編むようになってしまいましたが、それでもイベントを開催できて良かったと思っています』
・『長い夏休みの終盤になって、慌てて宿題に取り組む僕の様子を見た祖父は、泥縄を編むとはこの事だと、笑っていました』
・『重要なプロジェクトの企画書は、直前になって泥縄を編む様に作成しても、採用される事などあり得ません』
「泥縄を編む」の類語や言い換え
「泥縄を編む」は「 場当たり」や「準備不足」や「 急ごしらえ」や「間に合わせ」などと言い換えることが出来ます。
まとめ
「泥縄を編む」とは「前もって準備をせず、何かの直前や事態が起こってから、ようやく取り掛かること」を意味する慣用句です。
元々は「泥縄を綯う」との表現が使われていましたが、「綯う」が難しい言葉なので、同義の言葉の「編む」に言い換えて使われることが増えています。
またこの慣用句はさらに省略して「泥縄」と表現されることも少なくありません。