この記事では、「作業興奮」の意味を分かりやすく説明していきます。
「作業興奮」とは?意味
「作業興奮」の読みは「さぎょうこうふん」で、ドイツの精神科医エミール・クレペリンが提唱した「やる気がない状態であっても、一旦行動を始めると、やる気が出て来て作業や行動を簡単に継続できるようになるという心理現象」を指す言葉です。
「作業興奮」の概要
クレペリンの説によると、「作業興奮」が生じる メカニズムは、以下のように説明されています。
当初は、やる気がなくても、とにかく手足や頭を使うことで脳の側坐核が刺激されるます。
そして脳の側坐核が刺激されると、ドーパミンが分泌され、この分泌されたドーパミンが、やる気を引き起こすと言うものです。
この「作業興奮」という言葉は、元々は「単純作業における作業量を高める」効果について提唱されたものでした。
しかしいつしか様々な作業や行動の「やる気を高める」と言った意味に拡大解釈されたようです。
いずれにしても、まず「作業」始めることでドーパミンの効果により、「興奮」が起きて「作業」が容易に継続できるようになると言う説であることから、この説を「作業興奮」と訳されたものです。
この説に従えば、やる気がない場合でも、とにかく手足や頭を使って「作業」を始めることが必須と言えます。
このとにかく「作業」をスタートするためには、「5,4,3,2,1GO!」や自分で何か行動を起こす気合の掛け声を持ち、掛け声とともにスタートする習慣を身に付けることが、メル・ロビンスの「5秒の法則」として推奨されています。
また「作業興奮」を阻害する要因としては、睡眠不足と運動不足が挙げられています。
従って、健康のためにも、この「作業興奮」が起きやすくする為にも、適切な睡眠と運動は大切だと言えます。
「作業興奮」の言葉の使い方や使われ方
「作業興奮」の言葉は、以下の例文のように使われます。
・『彼が書類を前に、やる気がでないと呟いたので、作業興奮を起こすべく、まず取り掛かる事が大切だと忠告した』
・『彼女はいつもの作業を始めたが、睡眠不足がたたって、全く作業興奮が生じないようです』
・『やる気がなくても、気合で仕事を始めれば、作業興奮の効果で、いつしかは仕事に没頭できます』
・『朝からやる気がなかったが、仕事だからと嫌々ながら始めると、作業興奮ですんなり仕事を進める事が出来た』
「作業興奮」の類語や言いかえ
「作業興奮」の類語や言い換えとしては、「奮起させる」や「奮い立たせる」や「やる気を起こさせる」や「燃え立たせる」などが挙げられます。
まとめ
「作業興奮」とは、ドイツの精神科医エミール・クレペリンが提唱した「やる気がない状態であっても、一旦行動を始めると、やる気が出て来て作業や行動を簡単に継続できるようになるという心理現象」を指す言葉です。
「作業興奮」を生じさせるためには、とにかく手足や頭を使って、作業や行動を起こす事が必須です。