この記事では、「似而非」【えせ】の意味や使い方、例文を分かりやすく説明していきます。
「似而非」とは?
見た目はなんとなくそのように見えても、実際は違うという意味があるのが「似而非」【えせ】の意味になります。
元々は「似非者」【えせもの】という言葉からきており、本当の者ではないという意味合いで使われている言葉です。
本当は知識など持っていないというのに、あたかも知っているようなことを言ってみたり、雰囲気出してみたり、才能などないのにあるように伝えたりと、どこかまやかしを感じさせることするのはまさしく「似而非」です。
大人として備えていなければ恥ずかしいと感じさせる技量がない者や、要素が見られない人が言うことだけは一丁前であるところがまさに「えせもの」「にせの」人物となるのです。
「似而非」の概要
顔や姿は似ていますが、どうも本当のところはただ似ているというだけで、実際はそうではなかったときに用いるのが「偽」【にせ】です。
漢字からして、似ていないものという当て字からきている言葉であり、本当のものではないと感じさせ、えらくとるにたらない者に対して使われています。
表向きはいつも笑顔を絶やさず、笑っている陽気な者ですが、心の奥深くには邪悪な心を持ち、かなり悪質さが感じさせる者としてとらえられる人物を指します。
人のまねごとばかりで、ちっとも自分らしさもない者は偽者のようであると言い、「あの者は似而非なので付き合ってはならない」と人に注意することがあります。
「似而非」の言葉の使い方や使われ方
主に、表と裏の顔が違う人を「似而非」と言い、表向きは誠実そうでも、心の中では騙そうとたくらんでいるような者であるときに使います。
顔は美男子で優しそう、美女であるから嘘をつかなさそうと思うような人が実際には意地悪で嘘ばかりついているような状況では「あの人は似而非で信用できない」と言い、警戒心を持つわけです。
主に、人の内面を知っている者が、見た目だけのまやかしに惑わされてはいけないという気持ちを表すとき「似而非な奴だ」と言ってみたり、本当は心が穢れている者と似ていると言われたとき「俺はあんな似而非とは似てないぞ」と怒りを表すときにも使われています。
人を騙し、あざ笑うような人を馬鹿にしたり、嫌う気持ちを表すときに使うのが「似而非」であるわけです。
態度だけではなく、嘘っぽい話し方に対しても「この人は似而非な話し方する」と警戒するときも使います。
「似而非」を使った例文(使用例)
・『京都出身だと言うわりには関西弁を話す似而非にすっかり騙された』
・『金持ちだと豪語するわりには着る服がどうも安っぽい似而非な人に苛立つ』
・『得意とする英語力が似而非だと言われた私は、馬鹿にする相手を見返してやろうと英会話教師になると決めた』
おしとやかで素振りもどこか京都出身であると思わせる人ですが、話してみると関西弁であったとき京都人ではなかったことに驚き、騙されてしまった自分にがっかりする気持ちを表せます。
金持ちだと言うわりには、着る服も身に付けている物も安っぽいところに嘘だなと感じる人もいますし、自分が反対に嘘つきと言われたときは見返すため今以上に努力して、上を目指す者もいます。
まとめ
どうも見た目だけの「似而非」は外面が良いのに中身がなく、知識も才能もない人であるため残念に感じてしまう人もいます。
このような人にならないように、日頃から知識を身に付け、才能を開花させる工夫することが必要になるわけです。