犯罪捜査で使われる言葉「プロファイリング」とは何を指すのでしょうか。
今回は、「プロファイリング」の意味と類語について解説します。
「プロファイリング」とは?意味
「プロファイリング」とは、「特徴や行動から犯人像を導き出す犯罪捜査手法」を意味する言葉です。
「プロファイリング」の概要
犯罪捜査には様々な手法が用いられます。
古くから行われているのは現場で証拠を収集し聞き込みや張り込みなどで犯人を探る手法ですが、科学技術の発展とともに犯罪捜査の手法も劇的な進化を遂げました。
科学捜査というと高性能の分析装置などを駆使する手法が思い浮かびますが、物的な操作方法とは別に心理面から犯人を探す手法も存在します。
「プロファイリング」とは「心理面から犯人像を絞り込む捜査の手法」を意味します。
「プロファイリング」で用いられるのは過去に収集された膨大なデータです。
「プロファイリング」の基本は「手口や特徴をデータと結びつけ関連性を絞り込む」というものです。
簡単にいえば「こんな特徴はこのような人間に多く見られる」という統計学に近い手法で人物像を浮かび上がらせる手法を「プロファイリング」といいます。
「プロファイリング」の根底には「人間の行動には合理的に説明できる科学的な共通点が存在する」という考えがあります。
「特徴的な行動をとる人間には何らかの共通点がある」というのが「プロファイリング」の基本です。
現場で確認された特徴や行動の痕跡を手がかりに共通点を持つ人間を絞りこみ具体的な人物像を挙げて捜査の足がかりにします。
例えば、被害者をメッタ刺しにするような必要以上に傷つける行為は過去の統計では強い怨恨によるものがほとんどです。
事実として確認されているデータを逆にすると「被害者をメッタ刺しにした犯人は強い恨みを持つ人物である可能性が高い」という推測が合理的に導かれます。
このような科学的合理性を持つ心理的捜査を「プロファイリング」と表現します。
実際の「プロファイリング」ではもっと細かく具体的な特徴から人物像を絞り込みます。
無関係に思われる事件同士をささいな特徴から同一犯であると推測したり犯人の逃走ルートから性格や行動様式を推量したり手口や手法から年齢性別を絞り込んだりなど、科学的な手法で集められた客観的な情報と過去のデータを照らしあわせて捜査する「プロファイリング」により求める人物像を絞り込みます。
「プロファイリング」の言葉の使い方や使われ方
・『警察では本格的なプロファイリングの導入を検討している』
・『大学でプロファイリングについて学ぶ』
・『プロファイリングには過去の統計やデータが必要だ』
・『関係者の中にはプロファイリング結果に当てはまる人間は存在しない』
「プロファイリング」の類語や言いかえ
・捜査心理学
「心理学的手法を犯罪捜査に応用する学問」を意味する言葉です。
「プロファイリング」は「捜査心理学」における重要な手法のひとつとして位置づけられています。
・行動分析
「人間の行動を通じて心理を探る分析手法」を意味する言葉です。
「プロファイリング」は「行動分析」を捜査に応用したもので犯罪や事件に見られる特有の痕跡や行動を重視しています。
まとめ
「プロファイリング」は90年代以降に広まった比較的新しい操作手法です。
見えない人物像を探るのに高い効果を発揮する一方、データや統計が不十分だと精度が下がるという欠点もあります。
思い込みや偏見にも左右されやすいので実践する場合は正しい知識と心構えが求められます。
